GANTZ Paradise Lost 野球星人篇
「・・・・・な、な、何だ・・・・」
俺は爆散した野球星人の腕の残骸を見る。
周囲には肉片が散らばり、点々と小さな血溜りを作っていた。
「ヒギャアアアアアアアアアア・・・・」
野球星人は痛みに悶え苦しんでいる。
かなりグロテスクな光景だ。
「ちっ、何だよ、こんだけかァ!?」
「意外とあっさりしてますね・・・」
するとそこには先ほどの連中がいた。
金髪がライフルを構えている事から奴が撃ったらしい。
「「・・・・・」」
秀吉と縦ロールはあまりにも突然の出来事に唖然としている。
「こんだけやって1000万貰えんならまあ、悪くは無えバイトだなwwww」
金髪はこの殺戮行為をどうやらバイトとしか考えていないようだ。
すると、野球星人が消え入るような声で呟く。
「・・・・バ・・・・バット・・・・あげます・・・・・」
そう言って、野球星人はまだ破裂していない方の手でその辺に転がっていた棍棒を拾い、連中に差し出した。
恐らく、降伏するつもりなのだろう。
「コイツ、まだ生きてやがるぞぉっ!!!」
連中の内の誰かが怒鳴る。
それと同時に全員が引き金を絞る。
「・・・・・よせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
と、そこで誰かがまた叫ぶ。
俺は叫び声の主を見た。
・・・秀吉だった。
一瞬の沈黙。
「・・・・・ぴっぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
・・・・が、時すでに遅し。
野球星人の両足が吹き飛ぶ。
「・・・・・何て事じゃ・・・・」
秀吉は力が抜けたようにその場にへたり込む。
「・・・信じられん・・・お主ら、まるで鬼畜じゃ・・・・・」
・・・・カシャッ・・・・
「お~い、クソガキィ、何か文句でもあっか?」
ヤクザの片割れが冷たく言い放つ。
その手には、Ⅹ字型に展開された砲身の銃が。
そのまま、ヤクザは引き金を、引いた・・・・。
「・・・・・・・・・・・・おぷっ・・・・・・・・・・・・・・」
妙な断末魔と共に野球星人の頭が吹き飛んだ。
脳漿を撒き散らし、首からはダムが決壊したかのように血が噴き出す。
「・・・・・・う、う、嘘じゃろう・・・・・・」
嘘ではなかった。
秀吉は返り血を大量に浴びて上半身が真っ赤に染まっていた。
「なん・・・で・・・・なんで、こ・・・・・こんな事に・・・・・」
「・・・・ざ・・・・ざっけんなよ偽善者が!!こ・・・・こいつは人間じゃねえんだよ!!」
金髪が怒鳴る。
「な~んか、ノリで変なの殺っちまったぜ・・・・」
「・・・つーか、どーすんだよ、コイツ・・・・」
と、ヤクザ二人組はまるで悪びれる様子が無い。
すると・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・メキョッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
背後で“何か”が潰れる音がする。
そしてそこには・・・
野球星人を一回り大きくしたような外見の星人と・・・・
その傍らにペシャンコに潰された金髪の残骸が、あった。
作品名:GANTZ Paradise Lost 野球星人篇 作家名:プラスチッカー