子供みたいな
「まぁさ、シズちゃんがしたいって言うんなら俺は赤ちゃんプレイも厭わないけどね 」
「……だぁれがそんなことしたいって言った?! 」
「言ってないけど、ほらさ。
さっきみたいにいざやァ、もっとォーってかわいくねだってくれるんなら俺は何でも叶えてあげるよって話 」
「だぁかぁらー、そんなこと言ってねェって…… 」
普段と変わらず怒りを隠すことはしない。
そんなとこがシズちゃんなんだけどね。
そんなところがかわいい。
「言ったとか言ってないってどうでもいいけどね。
俺にはそんなシズちゃんの心の声が聞こえたってだけだからさ 」
含むように笑いかければ、伏せたままの顔を上げてくれる気配もない。
だから俺は手を伸ばしてシズちゃんの金髪にそっと指を絡めてクルクルと遊ぶ。
あまり長くないその毛先が俺の指にまとわりついてはすぐに逃げる。
シズちゃんと同じだ。
今はこんな風に俺の隣りにいてくれていたとしても外に出れば、元のようになるだけだ。
だからつい追いかけてしまう。
そして追いかけられたくてちょっかいをかけてしまう。
そんなところがね。
「好きだよ、シズちゃん 」
絡めた指を髪の中にそっと沈めてそのまま頭を撫でてやる。
ピクリと反応したけど顔は上げない。
分かってるよ、こういうときに顔を見せようとしない理由くらい。
だからこそ、こんな時くらいは愛をこめて優しくしてあげたいなんて、ね。
「シズちゃんもそろそろシャワー浴びておいでよ。
1人じゃツライって言うんなら俺が手伝ってあげてもいいよ 」
いつものようにおどけてそんなことを言えば、今まで脱力してたシズちゃんはどこ行ったの?ってくらいにすごい勢いで顔をブンと向けて拳を握り締めている。
「結構だ!
手前なんかに手伝ってもらったら…… 」
「何されるか分かんない?
信用されてないなぁ、俺 」
「信用?されると思ってんのか?
それこそ頭イカれてんじゃねェのか? 」
半分身を起こしたところでシーツを腰まで引き上げて、ベッドの上であぐらをかく。
その隙間に見えるのは明らかに男性らしいふくらはぎ。いつもはズボンの下に隠れているせいか、いやに白いのが目に痛いくらいだ。
「シズちゃん、別に隠さなくてもいいのに。
もうシズちゃんの身体で俺が見たことない場所なんて内蔵と脳みそくらいなんじゃない? 」
「……んなこと、ねェだろ 」