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氷雲しょういち
氷雲しょういち
novelistID. 39642
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第6Q これで終わりだからな!!

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対するは、ニセではなく海常レギュラーの一人、小堀さんだ。
まぁ、この海常メンバーの中で影は薄そうだが、実際普通の高校ならエース級かもしれない。たぶん。
そこで、無難に”あれ”を始めた。あの日、初めてバスケ部で赤神様に見せたドリブルを。
左肩を相手に向け、右手で普通にボールを打つ。
ダムッダムッダムッダムッ
そして、急に胸を相手に向け、レッグスルーに続け、背中のほうで右手に戻し、今度は前面で左手にやる。そのまま左手で適当にボールをドリブル。またレッグスルーを介して右手に戻し、腕を伸び縮み、手首をひねりながらドリブル。身体も適度にひねりつつも、立ち位置は変えない。
ダダダダダダダッムダダダンムッダンダダダダムダダンムッ
この一連の動作を全て高速でやる。もちろん、やるときごとに動作の細かい動きは変わる。
が、体育の時間、暇そうに一人適当なドリブルをし続けていたために多少の変更でボールを落とすことはない。ただ、スティールされることはまずないという。
これが、無制限(インフィニティ)ドリブル。
ダダダダンダダダダムダムダムダムダンムッダンダダッッッッ
そして、一瞬、ボールを右手で止めた。
刹那、黄瀬くんが叫んだ。
「?!先輩、気をつけて!!!」
その時私は「超加速」と呟くと同時に、身体を、右肩を押し出すように捻ったまま加速した。
インフィニティドリブルで相手の隙を窺い、見つけた一瞬の硬直したところを、超加速で抜く。
これが私の常套手段だ。
小堀さんが振り返り、笠松さんがフォローに来るがもう遅い。
身長的にそれほど高くはない笠松さんを視界に入れつつ、スリープシュートを放った。
79-81。
ようやく反撃ののろしを上がったと思った。
けど、先輩たちの疲労は予想以上のモノで、――第3Qの7分。
日向先輩の集中も切れ始めたようで、一回シュートを外し、バカ神くんがなんとか入れた。
それで、90-92。
2点差のままではあるが、私の体力はやはり尽きそうだ。たぶん、第3Q丸々が限界かな……。
そう思い始めたとき、視界の端でベンチに動きがあった。
私はそれに気づいてまた口角をあげたのだった。

3-相田リコ
やっぱり、伊達じゃないわね、とそう思わざる終えない。
黄瀬くんを除いた海常のレギュラー陣は紺野さんの参戦にもかかわらず順当に点を入れていく。
先ほども、黄瀬くんに集中してマークを固めたボックスワンで挑んでいたところを、海常の主将が一蹴の3Pを放り、一瞬また差が開きかけていた。
それでも紺野さん、火神くん、日向くんの3人がそれぞれ点を重ね、なんとか2点差に戻した。
とはいえ、うちの不安材料は多い。
あの様子からして、この第3Qをもって紺野さんは下げないと行けないだろう。
しかし、火神くんの攻撃は倍返しされるし、そもそも黄瀬くんのマークでそうそう撃てない。
そうなれば第4Qで点差を縮めることはかなりの難関。いやおそらく無理だろう。
「先輩、どうすれば……」
一年の福田くんが声を漏らしたが、私はそれに小さく応えた。
「第1Qでのランガンで、策を練る体力はもうないのよ……黒子くんもいてくれたら……」
ため息ごちにそういったとき、後ろで何か音がした。振り向くと、
「じゃあ、行きます」
と黒子くんが起き上がっていた。
しかし、それで歩き始めるのを、何とか止めた。
「ちょ、待ちなさい、黒子くん!」
「おはようございます」
「あ、おはようございます……じゃなくて、もう起きて大丈夫なの?」
「大丈夫なんで、試合に出ます」
「いや、ダメだから!怪我人出すわけにはいかないわ!」
押し問答を少ししたが、黒子くんは、ひるむことなくこう言った。
「僕は約束しました。火神くんの影になると。だから、出してください」
その頑固さに私は折れ、大きくため息をついて言った。
「じゃあ、いいわ。もうすぐ第3終わるから、第4Qからね。ただし、危ないと思ったらすぐに引っ込めるからね」
そう言い終わったところでブザーは鳴り、第3Qは終了した。

4-???
ギーギー、と車輪をこぐ音が静かな路にうごめく。
「なんで、信号ごとにジャンケンしてんのに俺ばっかこがされてんの?!!」
そうこぐ青年が言うと、後ろのリアカーの荷物置き場でもう一人の青年がおしるこを飲んで、言った。
「当たり前なのだよ、今日俺の運勢は1位だからな」
「それ関係あんの?!!」
彼らは軽く悶着しつつもゆっくり進む。
「ってか、これだけして行って、本当にできるやつだろうな、お前の同中?」
「影っこ、マネっこ、そしてバレエっこだったな」
「ちょ、それ強いの?!!!!」
「おいっ、早くいけ。たぶん、もう第4Qなのだよ」
「お前が占いなんか見てたからだろうがぁぁぁ?!!!!!!!」
彼の絶叫は小さな路地に響き渡った。

5―火神大我
紺野と黒子が入れ替わり、第1Q後半での黒子を利用した連携で黄瀬を幾度かチギり、ボールをたたき込む。
ちなみに、「第2,3Q丸々いなかったからか?カゲの薄さが戻ってる!!!」らしいからパスカットもされ、DFも強力になっている。
ホント、一人じゃ何にもできねぇヘボが、この流れを変えるなんてな……。だったら、
「俺も無理にでも、やるしかねぇだろ!!!」
とダンクをまた決め、とうとう、
「「「同点?!!!!!」」」
100-100だ。
その瞬間、黄瀬の目は変わった。
そして海常の攻撃。
また黒子のバックチップをしようとしたが、黄瀬はその場のドリブルをすることで躱した。
そして俺も抜かれ、ダンク。
「ここに来て、まだ強くなるのかよ……」
俺は息をのみ、先輩たちは戦慄した。
「全員気ぃ絞めろよ、また第1Qと同じラン&ガンだ!!!!」
ここから約7分、互いの矛と矛はぶつかり合い、点と選手は激しく動いた。
そして、残り30秒、118-118。
「「「なっ、また同点?!!!」」」
取り巻く奴らの声で辛うじて点を確認できる。そのくらい、攻守の切り替えのスピードは速かった。
「みんな、守ってるだけじゃダメ!点を取って!!!」
延長戦戦う力なんて、うちにないのは火を見るより明らかで、カントクの言うように俺たちはボールを必死に取りに行く。
そして、突如俺の横に黒子が来た。
「火神くん、一瞬いいですか?」
ボソッとした声で話された提案は、思考を回せない俺でもすぐにわかった。とりあえず、ボールのカットが先だ!!
と思ったとき、ちょうど海常の主将が撃とうとしていた。
前にキャプテンがいるが、跳べるほどの体力はもうなさそうだ。
だったら、
「これで、決まりだ!!」
と撃たれたボールを手元から少ししたところでカットし、伊月先輩、そして俺、と渡る。
そこへ、黄瀬の奴が来た。
「行かせないっスよ」
俺は、反射で黒子に渡す。
黄瀬は一瞬戦慄したようだが、黒子は、
ゴールへ放った。
といっても、明らかにそのままリングに入りそうもない。
――だから、俺が飛ぶっきゃねぇ!!
「「「アリウープ?!!」」」
と叫ぶ海常レギュラー。
俺はそのままゴールに向く。
その寸前で現れたのは黄瀬だった。
――やっぱ、最後はそーだよな。最後はテメェとやりあわねぇとな!!!
「やらせないっス!!俺が勝つんっス!!!!!」