機動戦士ガンダムRS 第2話 その名はガンダム
キラは、このままでは目の前でたくさんの友人を失ってしまうと感じていた。
意を決した彼は、残っていたモビルスーツに乗り込んだ。
ディスプレイには、地球連合軍のマークついで「General Unilateral Neuro-Link Dispersive Autonomic Maneuver」の文字が出てきた。
「ガン・・・・ダム」
キラは、その頭文字を続けて読んだ。
その直後彼は、わが目を疑った。
OSがむちゃくちゃだったのである。
「こんなOSでこれだけの機体を動かそうなんて」
彼は、友達を助けるためにOSを書き換えた。
※
アスラン中尉は、ユーピテルとビームサーベルで鍔迫り合いを行ったがパワー負けとOSが不完全のため背後の建物に倒れこんだ。
いくら新型機とは、いえ機体の調整がまだ済んでない状態では満足に戦えない。
目の前にビームサーベルを振り上げて迫ってくるユーピテルが見えた。
「俺も死ぬのか?」
アスラン中尉は、自分の死を覚悟した。
直後ユーピテルにタックルする機影が見えた。
その白亜の機体に見間違いは、なかった。
「ストライク?」
それは、死んだラスティが乗る予定だったモビルスーツだった。
亡霊が機動兵器を動かすなんて聞いたことは、ない。
パイロットは、絶対にいる。
アスラン中尉は、ストライクガンダムに通信を入れた。
「ストライク、パイロットは誰だ?」
しかしその声は、アスランを驚かすには、十分すぎた。
「アスラン?
やっぱりアスランなの?」
その声は、親友のキラだった。
「お前」
「アスランがやられそうになってたから助けたに来たんだ。
それに僕の友達も君の近くにいるんだ」
アスラン中尉は、カメラを切り替えた。
すると逃げ遅れた自分と同じくらいの年の集団がいた。
アスラン中尉は、キラのお人好しに一瞬あきれたが今はそれどころではない。
「いいか、キラ。
そのモビルスーツは、ストライクといって武器がイーゲルシュテルンというバルカン砲とアーマーシュナイダーという戦闘ナイフしかないんだ。
それでは、ユーピテルには勝てない。
だから1番トレーラーからビームサーベルを取るんだ」
「ビームサーベル?」
よくわからずキラは、聞き返した。
「接近用のビーム武器だ。
それを使って何とか時間稼ぎをしてくれ。
OSを書き換えたらすぐに戦う」
「わかった」
ストライクガンダムが一番トレーラーに向かっていってそれをユーピテルが追うのを確認するとキーボードを展開してOSを書き換え始めた。
※
キラは、アスランがやられそうになってるのを見るとユーピテルにタックルした。
ユーピテルは、キラが乗るモビルスーツに吹き飛ばされた。
そのとき通信が入った。
「ストライク、パイロットは誰だ?」
その声によってこの機体が「ストライク」というモビルスーツだと知った。
しかしそれ以上にその声に驚いた。
「アスラン?
やっぱりアスランなの?」
建物で見かけたあの少年は、幼いころに地球に避難するためにわたったアスランだったのだ。
「お前」
その声に少なからず動揺があった。
「アスランがやられそうになってたから助けたに来たんだ。
それに僕の友達も君の近くにいるんだ」
キラは、今の気持ちを精一杯伝えた。
「いいか、キラ。
そのモビルスーツは、ストライクといって武器がイーゲルシュテルンというバルカン砲とアーマーシュナイダーという戦闘ナイフしかないんだ。
それでは、ユーピテルには、勝てない。
だから一番トレーラーからビームサーベルを取るんだ」
「ビームサーベル?」
しかし民間人のキラにとっては、機動兵器の武器など言われても思い浮かばないのが普通である。
「接近用のビーム武器だ。
それを使って何とか時間稼ぎをしてくれ。
OSを書き換えたらすぐに戦う」
「わかった」
キラは、ストライクガンダムのスラスターを噴かして1番トレーラーに向かった。
それにユーピテルも追いかけてきた。
※
アイリス曹長は、興奮が抑えられなかった。
自分のような未熟者がガンダムをしとめられることに。
もし撃墜できればそれこそ二階級特進も夢では、ない。
「サイナーラ、ガンダム」
アイリス曹長は、ビームサーベルで切りかかった。
直後別の機影がユーピテルにタックルしてきた。
アイリス曹長は、突然のことに避けることもできずに吹き飛ばされた。
「何なのよ?」
アイリス曹長は、タックルしてきた機影を見た。
それは、新手のガンダムだった。
しかもタックルしてきた新手のガンダムから目が離せなくなってしまった。
その白を基調とした配色は、「ガンダム」の中でもフラグシップ的な存在だったからだ。
そんな機体とこれから自分は、対峙しなければならないと考えると恐怖に押しつぶされそうだった。
しかしそれでも自分は、コロニー軍の軍人と自分とユーピテルを奮え立たせ白いガンダムに向かおうとした。
しかしあろうことか白いガンダムは、尻尾を巻いて逃げていった。
「待て」
ひとまず赤いガンダムは、放っておいてアイリスは白いガンダムを追いかけた。
※
キラは、1番トレーラーを見つけた。
「あれか」
そこに腕を突っ込ませた。
そしてビームサーベルを両手に取ってユーピテルに向きなおした。
ユーピテルもビームサーベルを両手に持たせて構えた。
※
アイリス曹長は、白いガンダムをしばらく追撃していたが白いガンダムがトレーラーの近くで止まった。
そしてそのトレーラーのコンテナに両手を突っ込むとビームサーベルを持っていた。
「武器を調達しに行っていたのね」
アイリス曹長は、ユーピテルの両手にビームサーベルを持たせて構えた。
※
キラは、素人ながら互角の戦いができていた。
(これならアスランの時間稼ぎができる)
キラは、鍔迫り合いを何度か繰り返していた。
「遅くなってすまない」
その声とともに赤いモビルスーツがユーピテルに切りかかってきた。
「アスラン」
何を隠そう親友のアスランだった。
彼もOSを書き換えてきたのだ。
※
2人の実力は、伯仲していた。
「さすが白いガンダムね。
伊達じゃないわ」
2機の機動兵器が持つビームサーベルがぶつかり合い互いにスパークした。
そのときあの赤いガンダムが切りかかってきた。
その動きは、先ほどの動きとはまったくの別だった。
「まさか最終調整が終わった?」
そう考えたときアイリス曹長は、すさまじい悪寒を感じた。
「まさか白いガンダムは、赤いガンダムの最終調整を行うための時間稼ぎをしていたの?」
アイリス曹長は、自分のふがいなさに怒りとガンダムへの恐怖を感じていた。
「こちらアイリス。
現在2機のガンダムと交戦中です。
誰か助けて」
アイリス曹長は、通信を開くと悲鳴に近い声で叫んだ。
※
その通信は、サウス中尉に届いた。
「こちらアイリス。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第2話 その名はガンダム 作家名:久世秀一