機動戦士ガンダムRS 第2話 その名はガンダム
現在2機のガンダムと交戦中です。
誰か助けて」
その声は、一二を争う切迫した感じだった。
「まずい」
サウス中尉は、部下を助けるために通信元に急いだ。
※
さすがに2対1では、分が悪い。
アイリス曹長は、脚蹴りで白いガンダムの右腕に持っていたビームサーベルを吹き飛ばすことに成功したがその右腕で頭部を殴られ吹き飛ばされた。
その先で待っていたかのように赤いガンダムがビームサーベルを振り下ろした。
何とかユーピテルのビームサーベルで攻撃を防いで2体のガンダムから距離をとった。
戦況は、押されていた。
「このままじゃやられる」
そう感じた直後2体のガンダムに向かって攻撃が向かってきた。
サウス中隊長のユーピテルだった。
「サウス中隊長」
アイリスは、援軍が来たことに喜びを感じた。
サウス機がアイリス機の隣に着陸した。
すると2機のガンダムのビームサーベルからビームが消え体色が灰色になった。
アイリス曹長は、瞬時にパワーダウンだとわかった。
「サウス中隊長、攻撃しましょう。
敵は、パワーダウンを起こしました」
しかしサウス中尉からの言葉は、意外だった。
「撤退するぞ」
アイリス曹長は、その言葉に疑問を持った。
「なぜです?
敵は、ガンダムです。
今のうちに破壊すべきです」
アイリス曹長は、ガンダムを今倒すべきだと考えていた。
「周りを見ろ」
アイリス曹長は、サウス中尉の言うとおり周りを見てみた。
するといつの間にいたのかそこには、3機のガンダムがいた。
アイリス曹長は、再び戦慄を感じた。
「そういうことだ。
撤退するぞ」
2人は、撤退した。
※
サウス中尉は、アイリス機を発見した。
その近くには、2機のガンダムもいた。
「こいつらか」
サウス中尉は、2機のガンダムに向かって120mmマシンガンを撃った。
マシンガンは、見事2機のガンダムに命中した。
損傷できないのは、予想できていた。
しかし今は、援護だ。
2機のガンダムは、ひるんだ。
「サウス中隊長」
アイリスのうれしそうな声がコックピットに響いた。
サウス中尉は、少し照れながらアイリス機の隣に着陸した。
すると2機のガンダムの持っていたビームサーベルからビームが消え体色が灰色になった。
サウス中尉は、瞬時にパワーダウンだとわかった。
しかし功をあせっては、いけない。
ここで目先の戦果に目が行ってしまって迫りくる危機を見逃しては、いけない。
その危機がないかサウス中尉は、眼を配らせた。
そしてその危機は、迫っていた。
「撤退するぞ」
しかしアイリス曹長から抗議した。
「なぜです?
敵は、ガンダムです。
今のうちに破壊すべきです」
確かに目の前の敵は、ガンダムだ。
もしここで破壊できなければその責任は、自分たちの命で償わなければならなくなる。
しかしそれでもサウス中尉は、それがベストではないと感じていた。
「周りを見ろ」
そういうとその危機を今一度見た。
そこには、間違いなく3機のガンダムがいた。
「そういうことだ。
撤退するぞ」
2人は、撤退した。
※
イザーク中尉たちは、自分たちの機体のOSを書き換えると起動させアスランの許に急いだ。
そこには、ユーピテルが二機とストライクガンダム、イージスガンダムが戦闘を行っていた。
「アスラン、ラスティ」
イザーク中尉は、2人のパイロットの名前を叫んだ。
「ラスティは、死んだ。
ストライクに乗ってるのは、俺の幼馴染の民間人だ」
3人は、動揺を隠せなかった。
なお2機のユーピテルは、状況不利と感じて撤退した。
しかし撤退してよかった。
この3機のガンダムも大容量のバッテリーをまだ積んでいなかったため戦闘など行える状態では、なかった。
※
アークエンジェルでは、ラミアス艦長が対応に追われていた。
通信は、ニュートロンジャマーの影響で先ほどから砂嵐状態だった。
「これでは、状況がわからないわ。
バジルール少尉」
アークエンジェルの専任仕官たちは、「G」の護衛任務で艦を降りていた。
そのためアークエンジェルは、慢性な人手不足状態だった。
「通信は、私がやります。
あなたは、生き残った候補生をつれてきて」
ラミアス艦長の命令にバジルール副艦長が反論した。
「無理です。
候補生でアークエンジェルを動かすなんて。
しかも候補生の数も少ないです。
それに外では、まだ戦闘が行われているかもしれません」
バジルール副艦長は、現状維持が得策だと考えていた。
「現状維持でも情報をつかむには、人手不足です。
新しい情報がつかめても今いる人数では、とても対処できないわ」
「わかりました」
バジルール副艦長もやっとおれアークエンジェルのブリッジから出て行った。
※
ヘリオポリス外の戦闘は、決着がつこうとしていた。
「操舵不能」
操舵手が艦長に悲鳴を上げるように報告した。
マルセイユⅢ世級補給艦は、ユーピテルの攻撃で操舵が効かなくなってしまった。
艦長は、自分の死に戦慄した。
そのままマルセイユⅢ世級補給艦は、ヘリオポリスの外壁に衝突して爆沈した。
フラガ大尉は、敵軍と自軍の戦力差を痛感していた。
フラガ大尉のメビウス・ゼロのガンバレルで1機のユーピテルの120mmマシンガンを破壊するとクルーゼ中佐のシグーハイマニューバが試製27mm機甲突撃銃で右腕を破壊した。
そのユーピテルは、撤退していった。
※
その戦況は、ドゴス・ギアでも確認できた。
「エリオット機、大破。
緊急帰投。
消化班、Bデッキへ」
ブリッジオペレーターのマーネリー曹長が戦況を報告した。
「エリオット少尉が大破だと?
こんな戦闘で?」
エリオット少尉は、そんなに悪い腕ではない。
そもそも12対2の圧倒的優位な戦闘で損傷機を出すのが不思議なくらいだった。
「いささかうるさいハエが2匹ほど飛んでいるな」
サオトメは、戦闘をしている敵機におおよそのめぼしがついていた。
するとブリッジにシグマン大尉が入ってきた。
サオトメとブライアン艦長がシグマン大尉に気づいた。
「サウス中尉から緊急通信です」
その瞬間マーネリー軍曹が凍りついたのがよくわかった。
「地球軍は、5機のガンダムを開発し既に起動しています。
さらにその5機は、5種のようです
戦況は、不利と見て撤退します」
マーネリー軍曹は、悲鳴のように報告した。
その瞬間ブリッジのほとんどが凍りついたように戦慄を感じた。
しかしサオトメは、冷静だった。
「クーパー中隊に撤退命令を出せ。
今度は、俺が行こう」
そういってサオトメは、ブリッジを後にした。
※
バジルール副艦長は、懐中電灯であたりを照らしながら生存者と候補生を探した。
電気は、先の攻撃で供給がストップしてしまった。
通路は、戦闘による爆発でいろいろなものが破壊されごみが漂っていた。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第2話 その名はガンダム 作家名:久世秀一