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機動戦士ガンダムRS 第2話 その名はガンダム

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バジルール副艦長は、それらを吸い込まないようにハンカチで口元を覆いながら人影に光を当てた。
生きているならばまぶしくて目を覆うはずである。
 しかしまだ生存者と候補生は、見つかっていない。
そこに地球軍仕官の帽子が流れてきた。
その帽子には、血が付着していた。
あまりの悲惨さにバジルール副艦長は、思わず泣き出してしまった。
「クソ。
生き残ったものは、無事なものはいないか」
 しかしあたりを見渡してもそこには、ごみしか漂っていなかった。
そのとき壁をたたくような音がした。
バジルール副艦長は、思わずその方向を見た。
するとドアが破られ1人の影が入ってきた。
その人物は、バジルール副艦長に向かってライトを照らした。
バジルール副艦長は、まぶしくて思わず腕で目を覆った。
「バジルール少尉。
ご無事で」
 しばらく照らされた後そういう男の声が聞こえた。

                 ※

 フラガ大尉は、マン・マシーン隊が帰艦信号で撤退していくのを見た。
「引き揚げる?
いや、まだ何か来る」
 フラガ大尉とクルーゼ中佐は、まだ気を抜かなかった。
そのときレーダーに新手が映った。
「ガンダムサイガー?
サオトメか」
 フラガ大尉とクルーゼ中佐は、更なる強敵に気を引き締めた。

                 ※

 サオトメが駆るガンダムサイガーは、F型を装備していた。
これは、コロニーを傷つけない最良の装備だからである。
「やはり貴様らだったんだな。
ムウ・ラ・フラガ、ラウ・ル・クルーゼ」
 その機動は、マン・マシーン本体の性能とパイロットの技量があいまってユーピテルとは「段違い」だった。

                 ※

 キラは、ストライクガンダムのコックピットから出てきた。
そこには、アスランのほかに4人の少年が立っていた。
キラは、アスランを頼るように少年たちに近づいていった。
「ちょっとやめてよ」
 その声には、聞き覚えがあった。
「ミリアリア」
 キラは、思わずその声の方向を見た。
しかしそこにはミリアリアだけでなくトール、カズィとサイもいた。
皆がオレンジ色の髪をした青年に拳銃を向けられながらこっちにきていた。
「皆」
 キラは、皆の方向に走っていった。
「キラ」
 皆もキラの方向に走っていった。
「どうしたの?
いったいなんでこんなことになったの?」
 キラは、皆がなぜこんなことをされているのかわからなかった。
その質問にトールが答えた。
「俺たちにもさっぱり解らないんだ。
戦闘中に動くと危ないと思ったからあそこの建物の物陰からユーピテルとあのモビルスーツの戦闘を静観して戦闘が終わるのを待っていたんだ。
それで戦闘が終わったからいざ避難しようとしたらこの人が拳銃を向けて『こっちに来い』って脅されたんだ」
 トールは、ことの成り行きをキラに説明した。
「お前は、こいつらの仲間か?」
 オレンジ色の髪をした青年は、今度はキラに拳銃を向けてそう質問した。
「はい」
 キラは、臆することなく堂々と答えた。
「皆、こっちに並べ」
 キラは、それに従いながらアスランを見た。
アスランは、うつむいて難しい顔をしていた。
キラは、なんとなくそれで事の重大さを少し理解できた。
「1人ずつ名前を言え」
 オレンジ色の髪をした青年は、相変わらず拳銃をキラたちに向けていた。
「サイ・アーガイル」
「カズイ・バスカーク」
「トール・ケーニヒ」
「ミリアリア・ハウ」
 ミリアリアが名前を言い終わると銃口がキラの方を向いた。
「キラ・ヤマト」
 キラは、しっかりと自分の名前を言った。
「俺は、ミゲル・アイマン中尉で地球連合軍の将校だ。
悪いがお前たちをこのまま解散させるわけには、いかなくなった」
 その言葉に皆が驚きの声をあげた。
「事情は、どうあれ軍の重要機密を見てしまったお前たちはしかるべきところと連絡が取れ処置が決定するまで俺と行動をともにしてもらう」
「そんな」
「冗談じゃないよ
何だよ、そりゃ」
 カズィとトールは、すぐに抗議した。
「したがってもらう」
 ミゲル中尉は、さらに強い口調で言った。
「僕たちは、ヘリオポリスの難民です。
戦争とは、関係ありません
軍とか何とかそんなのとは、何にも関係ないんです」
 サイが自分たちとは、無関係なことだと主張した。
「そうだよ。
大体何で地球軍がヘリオポリスにいるわけ?
そこからおかしいじゃんか」
 それにトールも続いた。
「そうだよ。
だからこんなことになったんだろ」
 カズィの抗議の直後に銃声が2回聞こえた。
ミゲル中尉を見ると銃口を上に向けて発砲していた。
その銃口が再び5人に向けられた。
「黙れ。
何も知らないガキが。
中立だと関係ないと言ってさえすれば今でもまだ無関係でいられる。
まさかまだそんな風に思ってるわけか?
ここに地球軍の重要機密がある。
お前たちは、それを見た。
それがお前たちの今の現実だ」
 その言葉に5人は、あきらめの表情を浮かべた。
「そんな乱暴な」
 サイがあまりの乱暴なこじつけにぼやいた。
「乱暴でも何でも結構。
だがな戦争をしているんだ。
コロニーと地球。
旧人と新人でな
お前たちの外の世界でな」
 ミゲル中尉は、コーディネイター至上主義でありしばしばナチュラルを旧人と見下していた。

               ※

 サオトメは、ヘリオポリスの外壁に身を隠して攻撃のチャンスを待っていた。
そしてショットランサーで攻撃したがよけられた。
背後からシグーハイマニューバが援護してきたがV.S.B.Rを背後に撃って牽制した。
「貴様は、アツシ・サオトメだな」
 通信からフラガ大尉の声が聞こえた。
メビウス・ゼロがバンバレルを展開した。
しかしサオトメは、それを悠々とかわしながらショットランサーで反撃した。
「貴様らは、いつも邪魔だな。
ムウ・ラ・フラガ、そしてラウ・ル・クルーゼ。
もっともそれは、お互い様のようだが」
 サオトメは、2人の攻撃をかわしているとサウス中隊が撤退するのが見えた。
「お前たちは、撤退して補給を受けろ。
後は、俺に任せろ」
「了解」
 サオトメの命令にサウス中尉が了解した。
そしてサオトメは、ヘリオポリス内に侵入した。

               ※

 フラガ大尉は、敵の気配を探していた。
そして外壁の奥にそれを発見した。
フラガ大尉は、攻撃前に急加速をかけたので攻撃をかわせた。
クルーゼ中佐が試製27mm機甲突撃銃で背後から攻撃したが腰部ビーム砲で牽制された。
「貴様は、アツシ・サオトメか?」
 ショットランサーのマシンガンを回避しながらガンバレルを展開した。
「貴様らは、いつも邪魔だな。
ムウ・ラ・フラガ、そしてラウ・ル・クルーゼ。
もっともそれは、お互い様のようだが」
 するとユーピテルの中隊と入れ替わりにガンダムサイガーがヘリオポリス内に侵入した。
「クソ。
ヘリオポリスの中に」
 フラガ大尉は、ガンバレルを回収してクルーゼ中佐のシグーハイマニューバとともにヘリオポリス内に追撃に行った。

               ※