とある転生者の話(第二部)
第十九話 ヒビキvs裏アユム
side:アユム
「いけ!エイパム!!」
ヒビキの先手はエイパム。
…あれ?エイパム?
「さて、ボクは誰を出そうかしらね…」
ガタガタと主張するプレミアボール。
「なんだい、お前も腹が立ったのか?」
更にガタつく。
「仕方ないな、相棒、頼んだ!」
「えっとあれは…」
ヒビキが図鑑を取り出す。
ハッサムを知らないのか。
「ハッサムか…カッコいいな」
『……男に言われても嬉しくない』
「女ならいいのか?」
『…あまり人間に言われるのは嫌だな』
「結局嫌なのか」
可愛くねーの。
「ほ、ホントに話せるの?」
「まぁな。ハッサムは男に好かれても嬉しくないとさ」
「きっとオスなんだね」
いや、そういう事じゃないが。
「先手必勝!エイパム、引っ掻け!」
ぱむー
エイパムはハッサムに向かって走ってくる。
その技を全て避けながらハッサムが小声で話してきた。
『…子守りは苦手だ』
「じゃあ出てくんなよ」
『腹が立ったんだ』
「お前じゃなくてもお嬢がいたから平気だってのに」
『…なぁ、上げて落とすのありか?』
「ぶん投げて地面にめり込ませる方の上げて落とすならありだな」
『…ちっ、こいつの相棒真面目にやるからさせてくれ』
「仕方ないな、…許す、やれ」
その言葉の後、避けるのを失敗したかのように装い、わざと背中に攻撃を受けた。
作品名:とある転生者の話(第二部) 作家名:紗雅羅