とある死神の平行世界
第2章 〜三沢塾〜
俺はあれから戻ってきた小萌先生がパニックに陥り、事態は更に困難を極めたらしい。
警備員|《アンチスキル》や風紀委員|《ジャッジメント》が駆けつけこの悲惨な状況を目の当たりにしては言葉も出なかったそうだ。
俺とインデックスはあの魔術師が運んでくれたらしい。
なんでも、インデックスはこの街の住人といわけではないから無駄な詮索をされるとイギリス正教側としてもめんどうだそうだ。
俺は完璧ついでだとか…。
今度会ったらぶっとばしてやろうかな。
そんなわけで、俺が今いるこの場所病院の帰り道だ。
現在赤信号にひっかかっている。
「ねぇ!いちご!いちご!私、あのアイスクリーム食べたいかも!」
「お前…さっきから食いまくってねぇか?太るぞ。」
「お、女の子にその言葉は禁句なんだよ!」
このやりとりもこれで二回目だ。
そうこうしている間にインデックスはそのアイスクリーム店へ走り出していた。
仕方なく後を追おうとすると周りに人がいなくなっていた。
人払いのルーン。これを喰らうのも三回目だ。
「んで、今回はなんの用事だ?ステイル。」
「君呼び捨てにされるのは気に入らないが、まぁそれは置いとくしよう。」
間違いなくステイルより一護のほうが年上なのだが、
その辺りは彼のプライドかなにかが彼を気に入らない理由があるのかもあしれない。
「おっと、話を戻そう。君は『三沢塾』という進学予備校を知っているか?」
三沢塾…
その予備校は知っている。なんせ国内ではシェア一位を誇るのだから。
俺はうなずいてステイルの問いに答えるが、
「んで、その『三沢塾』になんかあんのか?」
この質問はもっともではないだろうか?
なんせこの手のものは学生がメインであって魔術師が興味を引くところでは決してない。
ステイルはつまらなさそうに俺に答えた。
「そこに女の子が監禁されているから、助けだすのが今回の僕の仕事だ。」
その言葉に少しは疑いもちたいところなのだが、
彼の使う魔術は科学の法則をまるっきり無視したとんでもない物を使い、
さらにはこの間とんでもないことを俺は経験しているせいかあっさり状況を理解した。
「それで、俺に手伝ってほしいってことか?」
「なんだ?君にしてはやけに素直じゃないか?」
「あんた達に借りでも作っておけば、後々都合がいいかもって思っただけだ。」
「そうかい。まぁ、そんなことはないだろうけどね。」
そこは嘘でも「なるかもね。」ぐらい言っとけよ。
ステイルは俺に突入の手順が書かれている封筒を渡し、どこかに消えた。
俺はインデックスを探し、一度家に戻ることにした。
作品名:とある死神の平行世界 作家名:スバル