とある死神の平行世界
俺とステイルは現在三沢塾の前にいる。
今は夕方で学生もたくさんいるが、ステイルの魔術により俺たちの姿は見えていないようだ。
そこでロビーのエントランスでローマ正教の騎士の死体を見つけた。
やはりここは普通の場所ではないらしい。
食堂まで来た俺たちは周囲を見渡すそこである異変を感じた。
80人ほどいた生徒が全員こちらを見ている。
魔術で結界を貼っている俺たちに気づくことは一般人ではまずありえない。
だとすると、これは…
「どうやら気づかれたかな?おそらくここの魔術師の近くの部屋にくると自動的に警報するシステムなってるんだろうな。」
その時性と生徒達は一斉になにかを詠唱し始めた。
その瞬間ステイルは一気に後方に駆け出した。
生徒達は眉間に白い球体みたいなものが現れ浮かんでいる。
それ一つならやけど程度で済みそうなのだが、なにぶん数が多い。
俺もステイルの後を追うことにした。
「何君まで一緒ににげているのだよ!はやく盾になれ!」
「は?意味わかんねぇよ!そもそも数が多くて対処できるか!」
俺たちは口論しながらかけていく。
階段の前まで来て上か下か意見をきこうとするが、ステイルはこの状況でかなりマイペースに動く。
「おい!お前どうしてこんな状況でゆったりしてるんだよ!」
「いやぁ、逃げ切る秘策があるんだけど今使うべきかどうか悩んでいてね。」
「なんだよ!そんなのあるんだったらさっさと使え!」
そう言うと、ステイルはこの状況でありえない笑みを浮かべて俺に振り向きいきなり俺に十字架を投げてきた。
俺がそれを受け取った瞬間、いきなり俺をけり飛ばしてきた。
階段を転げ落ちて全身に痛みが走る
「てめぇ、一体なにす…」
「後は頼んだよ。」
そういい残してステイルは上の階に向かっていった。
しかし、白い球体はなぜか下の方にしかこない。
「ちょっと待てよ!なんでこっちにしか…。」
そこまで言いかけて気づいた。
おそらくこの十字架に魔力があり、追尾されているのだろう。
俺は下の階に逃げる。
階段の下にはそこで待ち構えるように一人の少女が立っていた。
その少女も詠唱しはじめ白い球体を作りだす。
しかし、球体の一つや二つなら別にどうってことない。
代行証を取り出して、その白い球体を消そうとしたがその女の子の皮膚がいきなり破裂していく。
そのときに気づいた。
超能力者には魔術は使えない。
「やめろ!自分の身体に異変があるのはわかってるだろうが!」
俺は足下にフルプリングをかけて一気に彼女の懐に入り、代行証に黒い気を溜めて球体を打ち消す。
彼女を抱えてすぐさま逃げようとするが、球体はいつの間にか周囲を囲い渦を巻いている。
代行証を構えて最悪彼女の盾になる覚悟でいたのだが、そこでその球体が急に動きをを止めたのだ。
そう思うとまた再び球体が動き出す。
しかし、先ほどまでの襲いかかるようなものではなくそのまま下に落ちて何事もなかったかのように消滅した。
そこで、ふと気配を感じた。
振り返ってみるとそこには、巫女装束の少女がいた。
それが『吸血殺し(ディープブラット)』姫神秋沙が立っていた。
作品名:とある死神の平行世界 作家名:スバル