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とある死神の平行世界

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一護が三沢塾に着いたみると、そこには既にステイルがいた。
彼は一護の方を見てため息のようなものをはく。


俺だってため息つきたいわ!
一護は心のなかでそうつぶやき、ステイルに近付いていく。


「それで?これは一体何をしようとしてるんだ?」


一護は夜の予備校の真ん前で多くの鎧の連中が囲んでいる。
正直気になってしょうがない。


「あれはローマ正教の連中だよ。これからグレゴリオの聖歌隊によって聖呪爆撃を行うそうだよ。」


「聖呪爆撃って…なんだ?」


一護が尋ねると、ステイルは心底説明が面倒というような感じの態度で適当に答える。


「ローマ正教の最終兵器さ。3333人の修道士を聖堂に集め、聖呪(いのり)を集める大魔術。太陽の光をレンズで集めるように、魔術の威力を激増できるんだ。」


それを聞いた一護は血の気が引いた。
そんなことをしたら一体どれほどの被害が出るのだろうか?
中にだってまだ姫神や一般人だっているはずだ。


「おい!今すぐやめさせろ!どれだけ被害が出ると思ってるんだ!?」


「正しき目的のために手段は正当化されるのだ。流される血は明日の礎になると思え。」


「もし、その中にインデックスがいるかもしれないと言ってもか?!」


「なに?それは本当か?」


「さっき携帯に電話してみたが途中で通話が切れた。そしてその連絡が途絶えた場所って言うのがこの三沢塾の前だ。」


ステイルがすぐにグレゴリオ聖歌隊に詰め寄り、攻撃の中止に伝えにいった。
そして一護は決めていた。これからなにをするのか。
一護は三沢塾の中に入っていく。後ろにはステイルもいた。


「勝手な行動そしてくれては困るね。僕の後ろからついてきてもらえないかな?」


「うっせぇ。今はそんなことごちゃごちゃ言い合ってる時じゃねぇだろ。」


そんな一護達が向かう場所は最上階にある校長室。
そこに問題の魔術師がいるとの情報だ。
その魔術師の名前は『アウレオルス=イザード』別名錬金術師と呼ばれているらしい。


そして知った。
彼が今の一護や前代のステイルのように、かつてはインデックスのパートナーであったということ。
そして、インデックスを救うためにローマ正教を抜け出し研究を続けてきたこと。
一護は思った。そんなあいつを俺はどうやって止めればいいのか?
吸血殺しを利用しているのもそのためだということも同時に悟った。


情報の確認しながら最上階にたどり着いた。
鍵がかかっていないことを確認すると、慎重に中に侵入した。
そこには一人の男と、巫女装束の姫神、そして横たわるインデックスがいた。

作品名:とある死神の平行世界 作家名:スバル