とある死神の平行世界
一護が刀を構えたより早く、アウレオルスが動いた。
「窒息せよ!」
その瞬間一護はいきなり呼吸困難に陥る。
だが、黒い気を身に纏わせると甲高い音が鳴り響いて収まる。
「くっ…ならば、感電せよ!」
その言葉で電気が一護に向かって飛んでくるが、それを刀で受け止め弾き飛ばす。
「そんなもん効かねぇよ!」
一護は刀を携えてゆっくりとアウレオルスに近付く。
アウレオルスは一歩後ろに下がり、再び針を首に刺して叫ぶ。
「銃をこの手に。弾丸は魔弾。用途は射出。弾は一つで十二分。」
アウレオルスの手に銃が現れ、それを両手に持つ。
一護はそれを刀を前にだし、黒い気を纏わせる。
「卍解。」
一護の身体を黒い気で包み込み、再び現れた一護の死覇装は変化していて、刀は大刀ではなく黒くて細長い刀に変わっていた。
アウレオルスは一瞬驚いたものの、構わず両手の銃を構える。
「人間の動体視力を超える速度にて、射出を開始せよ!」
その常人では目でとらえきれない速度の弾丸を一護はその細く、黒い刀で高速で腕を動かし、弾いていく。
30秒程ほど打ち続けたが、一護には傷一つ付いていなかった。
「ば、ばかな!そんなの人間業じゃない!お前、まさか聖人に匹敵する能力者だとでも言うのか?!」
「んなもん知るかよ。まぁ、でもこれでそろそろ終わりにするか。」
そう言うと、一護は刀を床に刺してゆっくりとアウレオルスの方に向く。
アウレオルスが再び銃を構えるより前に一気に目の前まで詰め寄る。
「なっ!」
「終わりだ。」
一護の拳がアウレオルスの顔面に打ち付けられる。
アウレオルスは一気に後方に吹っ飛びそのまま意識を飛ばした。
一護は刀を手に取り、代行証に戻す。
アウレオルスの意識がなくなったことにより、拘束が解け自由になったステイルがアウレオルスに近付き、抱え込む。
「こいつの処分は我々で行う。後で追ってお前にも一応伝えてやるから感謝しろ。」
「俺が一番の功労者だと思うんだがな。」
一護は顔を引きつらせながらも、インデックスを抱える。
「さぁ、帰ろうぜインデックス。晩飯食わないとな。」
一護のその言葉に反応するかのようにインデックスの瞼が開いた。
「なら、お腹いっぱい食べさせてくる?」
「はっ、はははっ?お手柔らかに…。」
一護は今日の食費は覚悟した方がいいとこの時本気でそう直感するのであった。
作品名:とある死神の平行世界 作家名:スバル