とある死神の平行世界
第3章 〜第1位〜
三沢塾のあの一件から、一護の補習は一向に進まず夏休み中盤に入ってもまだ補習が続いていた。
小萌先生も既に何も言わずに補習をしてくれることに感謝している。
アウレオルスは魔術によって顔と記憶を変えられて、一般人として社会に出したとステイルから一応の報告を受けた。
今日は午前中の補習なので公園を横切って帰宅してこうと一護は思い、公園に入っていった。
それにしても、今日はここ最近で特に気温が高い。
一護はたまらず、自販機に向かって飲み物を買おうとした。
だが…
「げっ!…2000円札しかないな。」
現在2000円札なんて普及どころか、もはや廃れていると言ってもいい。
自販機で2000円札を使用できるか確認して、ヤシの木サイダーを買おうと購入ボタンを買おうとしたが…
「はっ?…おい、おい!なんで出て来ないんだよ!」
いくらボタンを押そうが、飲み物が出てくる事はなかった。
一護は諦め、再び帰路につこうとすると…
「ふふっ!あんた今2000円札吸い込まれたでしょ?」
この満面の笑みを浮かべてるこのお嬢様、御坂御琴。
レベル5の電撃使い《エレクトロマスター》、学園都市第3位の実力者である。
「はぁ…始めからそこで見てたのかよ?」
「そりゃ、もうバッチリね!」
「お前この自販機を壊れてんの知ってただろ?」
「えっ?なんの事かしら?」
「はぁ…」
一護のテンションがもう底辺に落ちきったところで、再び歩みを始めた。
「ちょっと待ちなさいよ!あんたの飲み物ちゃんと出して上げるわよ!」
一護はそのまま立ち去ってやろうかと思ったが、さすがに2000円を自販機に吸い込まれたままで何も得られないのは貧乏学生(主にインデックスさんのせい)にとってかなりの痛手だ。
だが…
「お前それどうやって飲み物取り出すんだよ?」
この時点で一護はなんだが嫌な予感しかなかった。
「こうすんのよ!」
そう言うと、手を自販機に置いて電撃を放った。
そのせいで自販機から変な警報が鳴り響き、いろんな種類の飲み物が次々と出てくる。
「あららー…、まぁたくさん出てきちゃったけど、2000円分ぐらいは出てきたからこれでOK?…って、どこいくのよあんた!」
一護はいち早く危機を察しその場から逃走する。
今日はとことんついてないなー…
作品名:とある死神の平行世界 作家名:スバル