とある死神の平行世界
あれから、またしばらく御坂に絡まれた。
このままじゃキリがないと察した一護は隙をついて逃走した。
正直この2000円分の飲み物が邪魔でしょうがない。
置いていったりはしないけども。
店が並ぶ通りに出た。
夕方だからだろうか、学生の行き来が多い。
一護はぶつからないように気をつけながら歩いていたが、横から誰かがぶつかってきた。
その拍子に手に持っていた缶を落としてしまった。
周りの人は一応その落ちた缶を見るが、落ちた辺りをさけながら歩いている。
一護はため息をつきながら、缶を拾い始める。
「ごめんなさい。と、ミサカは謝罪の言葉をいいながら缶の収集を手伝います。」
「いや、気にすんなよ。誰だってこんな人ごみ歩いてたら、ぶつかることだって…。」
ミサカ?
はて、どこかで聞いた事があるような…。
一護はその声をの主を覗いて見てみると、それは予想通りの常盤台の制服に茶髪、そして…
「あれ?短パンじゃない?」
「それは、お姉様ことですか?と、言葉の意味を推理して答えてみます。」
お姉様?
御坂は双子の妹でもいたのだろうか?
「お前は御坂の妹なのか?」
「はい。と、ミサカは即答します。」
しばらくして、缶を集め終わり御坂妹が集めた分も受け取った。
「お前名前はなんなんだ?」
「ミサカはシリアルナンバー10032号のミサカです。と、ミサカは質問に答えます。」
「シリアルナンバー?まぁ、いいか。とりあえず、御坂妹とでも呼ばせてもらうぜ。」
「ミサカのことは自由に呼んでください。と、ミサカは少しあなたのネーミングセンスに期待したいと思います。」
期待されても困る。
ってかこいつは一体なんなんだ?
目の間にいるこの子が本当に御坂の妹かどうか?
ここまで見た目が酷似しているとむしろこの子は本人ではないのか?
そう思うと、先ほどまでのやり取りをを思いだしてこれ以上関わるとヤバい気がしたので、
「えっと…拾ってくれてサンキューな。それじゃ!」
一護はその場から小走りで離れた。
少しして後ろを振り返ってみたが、そこにはもう彼女の姿はなかった。
作品名:とある死神の平行世界 作家名:スバル