とある死神の平行世界
一護は現在補習を受けている。
理由は転校して来たため能力開発の単位が足りていないからである。
ここ学園都市はカリキュラムとして学期の始めは能力開発の授業が多くあるため、転校してきた一護には授業日数が足りないのも無理ないのである。
その補習を進んでしてくれている小萌先生には感謝したい。
だが、その間違いなく幼女にしか見えないその容姿にどうしても先生に感じないのは一護だけじゃないはずだ。
補習の帰りにスーパーのタイムサービスでうまそうな野菜や肉、魚など買い込んでまたあのシスター来ても大丈夫のようにした。
その帰り道にまたあのビリビリ中学生と出会い、何度かトラブルに巻き込まれたがなんとか切り抜け自分の寮に戻ってくると、自分の部屋に清掃ロボットが3台が固まってなにやら熱心に掃除していた。
誰か俺の部屋の前でゴミでも落としていっただろうか?
まったく、勘弁してくれよ…。
俺はげんなりしながら部屋に近付くとそこには白いものが見えた。
あれは…インデックス?
どうやら俺の部屋の前で清掃ロボットが集まっていたのは横たわっているインデックスに反応してたかららしい。
腹でも空かして力つきたのか、すげぇ食い意地っ張りだな。
インデックスは気を失っていた。そんなにお腹がすいているのか。
俺ははやく家に入ろうとした時…。
「ちょっとそこの君?」
「あぁん?」
俺が振り返るとそこには神父のような格好をした大男がいた。
たばこを吸っているが明らかに未成年である。
「それ回収するからどいてくれる?」
「回収だと?」
その単語を聞いて俺はこいつが今朝インデックスの言っていた魔術師だと認識した。
それなら、インデックスが気絶しているのも合点がいく。
「てめぇが誰だろうが知ったこっちゃねぇけど、俺のダチに手ぇだすんなら容赦しねぇぞ。」
「やれやれ…。めんどくさいヤンキーだ。ステイル=マグヌス…いや。Fortis931って名乗っておこうかな?」
「フォルテ…なんだって?」
「魔法名だよ。まぁ、簡単に言うと殺し名だよ。」
そういうと早いか、魔術師は手になにやら炎を出して唱えだした。
俺はそっと腰にある代行証を手に取った。
「炎よ……巨人に苦痛の贈り物を!!!」
呪文のようなものを唱えて手に現れた炎の剣を放ってきた。
法則もクソもまったくの無視したこの攻撃を俺は代行証から黒い気を出して放った。
「月牙天衝!!!」
炎と黒い気がぶつかり合い、黒い気が炎を打ち消した。
その現象にステイルはとても不快そうな顔をした。
(なんだ今の黒いの気は?)
どうやら、この力は魔術なんかにも効果があるらしい。
俺がこの黒い気を使えるようになってから気づいたことだが、この黒い気には能力を打ち消す能力が備わっているらしい。
そのため、あのビリビリ中学生にもこれで対応できているのだ。
「きみのその能力…一体なんなんだい?」
「てめぇに教えるつもりはねぇ!」
「そうだね…仕方ないから力づくで吐いてもらうことにするよ!」
ステイルは再び呪文のような物を唱えて、先ほどの炎の規模の比ではない人のような形をかたどった炎の塊が現れた。
それは炎の剣を造り、俺に向けて振り下ろしてきた。
「効かねぇ!」
俺は再び代行証から黒い気をだし、炎の塊に放った。
作品名:とある死神の平行世界 作家名:スバル