とある死神の平行世界
赤い炎と黒い気が再びぶつかりあう。
だが、先ほどの炎の量とは桁違いのために俺の月牙じゃ消しきれなかった。
「なんだよ?!この炎の力?!」
「これは魔女狩り|《イノケンティウス》というものでね。まぁ、細かい説明は君に難しくてわからないからしなくていいだろ?」
「畜生!舐めやがって!」
俺は2,3発連続で月牙を放った。
しかし、向こうの炎の勢いが収まることもなくこっちに向かってきている。
俺はインデックスを抱えて、四階から飛び降りた。
「なっ!?正気か?!」
だが、一護は完現術を使って空気中を難なく移動していき三階に移動した。
これで少しは時間稼ぎになるだろうが、根本的に解決にはいたっていない。
どうしたらいい?
「ルーンだよぉ…。」
「インデックス!?」
「あのイノケンティウスはルーンの設置された場所の範囲で動き続けることができるの。その枚数が多ければ多いほど、威力もまた増大される。そのルーンをすべてなくせばあのイノケンティウスも効力を失うよ。」
見るとそこには壁に絵が描かれた紙がびっしり貼られていた。
この紙であれほどの力を発動できるなんて、魔術ってやつはまったくふざけている。
「なるほどな…。この壁一面に貼られているやつをすべてはがせばいいんだろ?」
「うん。一護ごめんね…。」
「お前が謝ることじゃねぇよ。俺が勝手に首突っ込んでるだけだ。」
代行証を手に取り黒い気を壁一面に貼られたルーンとやらに放った。
俺だってこんな面倒ごとにいちいち首を突っ込みたくない。
だけど…、こんないすぐそばに助けを求めている奴がいるのに守れない生き方は絶対したくねぇ!
「見つけた。探すのめんどうだからあんまり動かないで…。なっ?!」
ステイルが三階に下りてきて見るとそこにはルーンが一枚もなくなっていた。
次第にイノケンティウスも効力を失っていく。
「テメェのその魔術もはこれで…終わりだ!」
俺は月牙を放った。
勢いを失ったイノケンティウスは月牙によって打ち消され残るはステイルだけとなった。
「な!?僕のイノケンティウスが…。」
「これで…残るはテメェだけだな。」
「ち…塵は塵に…。」
再び呪文を唱えだしたが、もう遅い。
俺は奴に止めをさすために奴に向かって走り出した。
一気に地面に完現術を使って加速し、懐に入る。
「吸血殺しの…。」
「おせぇよ。」
俺は奴の顎に拳をぶち込んでやった。
ステイルは吹っ飛びそのまま気絶した。
このままだといずれ騒ぎになると思い、インデックスを連れて寮から離れた。
「これからどうするの?」
これからどうしようかまったく考えてなかった一護はこの質問に無言で流し考えていた。
俺はここに来たばかりで知り合いと言える人たちが限られてくる。
だからあまり悩む必要もないと言えるが…。
俺はある人に電話した。
電話の相手はもちろん小萌先生だ。
『もしもしどちらさまですか?』
「もしもし、小萌先生ですか?黒崎っすけど、どっか隠れ家のような所ないですか?」
『話が唐突すぎて先生ついていけてないですよ!?って黒崎ちゃん?いきなりどうしたんですか?』
「理由は今は言えません。落ち着いたらはなせるかもしれません。」
小萌先生に魔術や魔術師のことなんて教えなくていい。
彼女をそんなオカルトの世界に引きづり込む必要はない。
この平和の日常を壊してはいけない。
『はぁー…わかりました。一度私の家に来てください。そこでお話をじっくり聞かせてもうのですよ。…いや、ちょっと待ってください!先生部屋が汚いので、20分後に来てください!いいですか?絶対その前よりきちゃダメなんですからね!』
いやいや…、その前に俺小萌先生の家しらねぇし。
そんなことをよそに先生は部屋の片付けに取りかかっている。
仕方ない、部屋に戻ってこれから必要なもん取ってから向かえばちょうどいいか。
それぐらいには片付け終わってるだろう…。
作品名:とある死神の平行世界 作家名:スバル