とある死神の平行世界
俺はあの後小萌先生の家に行き、それとなく事情を話した。
不良に追われていて困っているという、魔術師とはまったく違う理由を付けてみたが、あっさりそれを信じてもらいこっちとしてはかなり助かった。
先生はこれからアンチスキルの知り合いに警護を付けてもらえるようにお願いしてもらってくると言って家を出て行った。
その間は近くの銭湯にでも行ってきなさい、と言われたが今追われているって説明しなかったっけ?
「おっふろー♪おっふろー♪」
だがしかし、汗をかいていて気持ち悪いという思いは拭いきれずに結局銭湯に行くことになった。
しかも、インデックスはご機嫌である。
「いちご!いちご!にっぽんの銭湯には富士山の絵が中に描いてあるんだよね?それに、コーヒーぎゅうにゅう?それを風呂上がりに飲むのが伝統なんだよね?」
伝統かどうかしらん…。
それに絶対コーヒー牛乳をカプチーノかなんかの高級なもんでイメージしてるなこれは。
「いちご、いちご!」
「ん?なんだよ?」
「意味もなく名前を呼べるのってなんかおもしろいかも♪」
「いいから、さっさといこうぜ。」
そういうと何故かインデックスは不機嫌になり、突然頭に噛み付いてきた。
正直まじで地獄を見た。
「いってー!なにすんだよ!」
「ふん!いちごなんて知らない!」
そういうとインデックスは小走りでどこかに行ってしまった。
まったく…女の子はわからん。
あのビリビリ中学生もそうだが、一体俺が何をしたんだろうか?と、疑問を抱く。
まぁ、目的地は同じだし大丈夫だろう。
ここでふと違和感を感じた。
なぜなら、大通りに出たのに人が一人も見かけないのだ。
これは…もしかして…。
「お察しのとおりです。」
背後から声がした。おそらく女の声だ。
そっと後ろを振り向くとそこにはジーンズを片方きって足を露出させ、上は白い服でへそが見えるようなものになっていた。
そこまでならまだ派手な格好をした女性で話がつくが、その腰には刀のようなものが見えた。
「お前も魔術師か?」
「そうです。神崎火織ともうします。もう一つ名は出させないでください。あなたを殺したくはありませんから。」
これはあいつのはったりとかではない。あいつの本気はそこが見えない。
まともに対峙していいのか一護も迷っていた。
「七閃」
手が刀に手にかけたとき、既に後方の電柱が一本倒れていた。
しかもかなりの距離があったのにも関わらずだ。
一護の動体視力は並の人間よりはるかに優れている物をもっている。
それでも今の一撃は見えなかった。
「これでわかりましたか?あなたに勝ち目はありません。おとなしく…「うるせぇよ。」
もちろん、こいつに勝てる要素なんて全然ない。
それでも…
負けるわけにはいかなかった。
大切な仲間を守るために。
「てめぇがどんなに強いかなんてどうでもいい。勝てないから戦うんじゃねぇ…勝たなきゃいけないから戦うんだよ!」
俺は代行証手にとり、卍の黒い気を出す。
そして、力強く一歩踏み出してこう放つ。
「いくぜ!」
「身の程知らずが…。後悔しますよ。」
作品名:とある死神の平行世界 作家名:スバル