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とある死神の平行世界

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「はぁ……はぁ………。」


「もう一度問います。おとなしく彼女を引き渡してください。」


これまでの攻撃で一護の身体は既にぼろぼろだ。
意識も朦朧としてきて立ってるいるのもやっとだ。


「だれ…がぁ…わたすかよ。」


「そうですか、では仕方ないですね。これで最後です。七閃!」


この攻撃はいままでのとは違う。本気の一撃だ。
今まで攻撃を受けてきた一護は徐々に神崎の七閃を目で追えるようにまでなっていた。
だから、理解してる。これが本気の一撃だということを。


畜生…俺は結局女の子一人守れねぇのかよ。
俺は何のためにこの力を手に入れたんだ?
違うだろ?このまま終わる訳にはいかねぇんだよ!


【い……ご………ち…ご…】


なんだ代行証からなにか伝わってくる。
この声は一体なんだ?


【い…ちごよ……我が名を…ぶのだ。】


誰か呼んでる。俺を呼ぶ声。
そいつの名は…


【恐怖を捨てろ!

 前を見ろ!
 
 決して立ち止まるな!

 引けば老いるぞ!
 
 臆せば死ぬぞ! 

 叫べ!我が名は…】


「斬月!!!」


直撃直後、衝撃によっておきた煙で包まれた。
神崎は確認せずに後ろを振り向いてこの場から去ろうとすると、後ろから明らかな威圧感が感じられた。


(一体なにが?!)


そこに立っていたのは…


「よぉ、どこにいくんだよ。勝負はまだついてないぜ。」


そこに立っていたのは黒い死覇装に身を包み、
大きな刀を肩に担いでいる黒崎一護だ。


「あなた、その姿は一体?」


俺は神崎の懐に一気に詰め寄る。
今までのスピードより遥かに速いスビードに神崎は驚き刀を対峙させる。
お互い一度薙ぎ払って距離を取り、再び刀をあわせる。


二人は高速移動しながら刀を交えているが、一護の方がやはり速度的に遅い。
徐々に追いやられる状況で一護は不適な笑みを浮かべる。


「なにがおかしい?」


「いや、ただあんたの動きがみえるようになって何となくな。」


「余裕なのはいいが、私の速度に追いついていないのも事実だ。七閃。」


「そうだな!月牙天衝!」


いままでの月牙と違い、威力も規模も速さも段違いのものに七閃は通じなかった。
そのまま神崎に迫っていくが、


「唯閃!」


神崎の攻撃で一護の月牙は相殺された。
一護は神崎が月牙に勝るものを持っているのもなんとなくわかっていた。
だから、知っていた。このままじゃ勝てないことも。


「七閃をくぐり抜けた先には新説の唯閃が待っています。これであなたが勝つ可能性はありません。」


「確かに今のままじゃ勝てないかもな。」


そういうと一護は斬月を前に出す。
一護の周りに黒い気が纏い始める。
威圧もどんどん強くなっていく。


「斬月の声を聞いてようやくわかったんだ。俺の本当の力の姿がな。」


「なに?!」


「いぐぜ!卍解!」


作品名:とある死神の平行世界 作家名:スバル