二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

世界一初恋 高x律 葛藤

INDEX|11ページ/47ページ|

次のページ前のページ
 

【SIDE 律 Bパート 3/6】 ---------------------------

流石に疲れが出始めたころ、井坂さんが俺を呼び出した
「おう!高野!七光りをちょっと借りるぞ!」

「小野寺です!」

「どーぞ」

お約束のやり取りをしながら、俺は井坂さんに連れられ、社長室に入った
中には朝比奈さんが居て、コーヒーの準備をしている
俺は井坂さんに勧められるまま、ソファーに座り、何の話かな?と考えていた

「親父さんの調子はどう?」

「へ?」
突然何を話すのかと思ったら、個人的なことだったので少し驚き、素っ頓狂な声をあげてしまった

「えっと・・元気・・ですよ?」
騙す様な云い方だったかもしれないが、何を井坂さんが知っているのか解らないため
こちらも下手に話すつもりはない

様子を伺っていると、井坂さんはコーヒーを啜りながら「へー元気なんだ」と一言呟いた

「おっかしぃーなーー小野寺社長は自宅養生中だって聞いてるけどな」
ビクッとし、恐る恐る井坂さんの顔を伺うと、目を細め俺を射抜くように見ていた

「あっ・・あのぉ・・・」
なんて返事していいのかわからず、でも何か云わなくちゃいけないような気がして
声を出したはいいが、言葉は見つからず・・・・

「お前も大変だなぁー二足の草鞋」
何故知ってる?俺が補佐してるのはトップシークレット扱いなんだけど・・・

タラタラと冷汗をかきながら、身体ごと背けると
「龍一郎様」
と、朝比奈さんの静かな声が部屋に響く

チラリと見ると、井坂さんは「なんだよ」と不貞腐れた様な表情をして「仕方ないな」と真剣な表情になった

「何故、トップシークレット扱いの情報を知っているかは教えられない」
淡々と井坂さんは話しだす

「俺としては、中途半端にされるなら、丸川を辞めて欲しい」
突き刺さる言葉は、鋭く、声が出ない程の破壊力だ

「お前は小野寺出版の御曹司だ。俺は丸川書店の御曹司。だから立場的には同じ。
 でも、俺はお前と同じ立場なら「丸川」を取る」

「・・・お・・俺・・迷惑掛けてますか?」
恐る恐る聞くと、井坂さんはふぅーと息を吐き、少し冷めてしまったコーヒーを一口飲む

「まだバレてない。でも時間の問題だな」

自分の中ではうまくやってる方だと思っていた。
中途半端なことはしたくないし、どっちも大切なことだ
多少、意地になってることは止むを得ないが・・・

暫く黙っていると、朝比奈さんが「さしでがましいようですが、一言よろしいですか?」と
井坂さんに尋ね、コクリと頷くと、朝比奈さんは俺に向かって話し始めた

「龍一郎様は小野寺さんを心配されてます。
 何時まで続くか分からない二足の草鞋では、いくら若くとも小野寺さんの身体が持ちません
 ですから、”同じ境遇”として頼ってくれてもいいのでは?と龍一郎様は思っているんですよ」

「ばっ!バカ!朝比奈!何言って・・」

「龍一郎様は黙ってて下さい」
ピシャリと朝比奈さんに言われ、井坂さんはガクッと肩を落した

「小野寺さん、何を意地になってるかは存じませんが、理由をお聞かせ頂けませんか?」

朝比奈さんの言葉は、今の俺の立場を理解した上で、まるで宥めるように聞いてきた
だから俺は、ポツポツと今までの経緯を話し始めた

作品名:世界一初恋 高x律 葛藤 作家名:jyoshico