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世界一初恋 高x律 葛藤

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【SIDE 律 Bパート 6/6】 --------------------------

コンビニ弁当を方手にマンションへ向かう
エレベータがチン・・と音が鳴り、開いた箱の中に乗り12階のボタンを押して閉じる
閉まりかけたドアにガシッと何か挟まり、もう一度開く
そこには・・・

「お・・お疲れ様です・・今帰りですか?」

「おう。お疲れ」

高野さんとの会話はこれだけ。
12階までの短いハズの時間がとても長く感じられた
何か話さなきゃ・・・と思っても、言葉が出てこない
何故か怖くて高野さんの顔も見れない

12階に着き、俺は「失礼します」と言って一目散に部屋に入ろうとした
だって・・耐えられなかったから・・

鍵を鞄から出して差し込もうとしたら、バンッと俺の傍で音がした
高野さんが俺の部屋のドアを叩いたからだ

「お前さ。俺に何か言う事ないの?」
静かに、低い声で冷たく言い渡された言葉に、俺はビクッとし何も答えられない
頭のてっぺんから爪の先まで冷たくなる感覚
あー高野さん、めちゃくちゃ怒ってる

「話しがある」
そう言うと、高野さんは俺の腕を引っ張って自分の部屋の中に引き込んだ

「そんなところで突っ立ってないで入れば?」
玄関から動こうとはしない俺に向かって、顎で「入れ」と促す
渋々靴を脱ぎ、「お邪魔します」と小声で言い中に入った

ソファーに座り、高野さんが淹れたコーヒーを見つめる
部屋に入ってから会話はない
話があると言っていたが・・高野さんは中々切り出そうとしない
カチッカチッと時計の針の音だけが、この静寂さを物語っている

「あのさ」
ポツリとやっと高野さんが話し始めた

「お前、何やってんの?」

「え?」

「だから、何コソコソやってんだって言ってんの」
思わず高野さんの方を見ると、煙草に火を付け俺から顔を背けている

「べっ別に・・何もしてませんよ」
顔の向きを前に戻し、コーヒーカップを見つめて答えたが、少し挙動不審だっただろうか?

高野さんは「ハァー」と深い溜め息を吐いたと思ったら、煙草を消してダンッと床を足で叩いた
ビクッとし、恐る恐る見ると鬼の形相で睨みつけられた

「隠してるつもりなのか?」

「・・・・・」

「俺に話せないことなのか?」

「ぷ・・プライベートなことですので・・・上司に話すことではありません」

「俺は上司ってだけ?」

その言葉に何も言い返せなくて、また下を向いてしまった
無言を肯定を受け取ったのか、高野さんは静かに俺に向かって言った

「お前さ、10年前本当に俺の事好きだったの?」
何を言い出すのかと思えば、そんな今更なことを・・・・
驚いて高野さんの方を見ると、真剣な顔で俺を見ている

「今更・・何を・・・」

「お前の事、分かんなくなった」

「・・・どういう・・意味ですか?」

「自分で考えて」

どういうことだ?
嵯峨先輩のことが好きだった俺の気持ちは疑われ
今、高野さんを思う気持ちも伝わっていなくて・・・

待ってるって・・・言ってくれてたのに・・・
昔の俺の気持ちも拒絶されてたってことか

先程までの不安が一気に溢れ出て、それでもどこか冷静になってる俺って冷めてるかもしれない
あーそっか。失う時ってこんな感じなのかな
涙さえ出ない

俺は居たたまれなくなって、ソファーから立ちあがり、「お邪魔しました」と
云って玄関に向かって走りだした
後から「おい!」と高野さんの声が聞こえたが、振り返らず部屋を後にした

作品名:世界一初恋 高x律 葛藤 作家名:jyoshico