世界一初恋 高x律 葛藤
【SIDE 律 Eパート 3/9】 ---------------------------
「高野さん、彼女いますよね?」
「いない」
「それじゃ、シティホテルから出てきた女性は?只の遊びですか?」
「・・・・・・」
「毎夜深夜帰宅してましたよね?」
「・・・・・・」
「この間、公園で一緒だった女性は?」
「あーー彼女じゃない」
「ふーん」
淡々と質疑応答を繰り返す
「お前、妬いてんの?」
「なんで?俺関係ありませんよ」
「嫉妬?」
「別に」
「俺って愛されてる?」
「何故そうなる?」
ギュッともう一度抱きしめられ、「律、俺の傍にいて」と耳元で囁く
「タイムオーバーです」
「は?」
「時間切れです」
「何が?」
「俺、今月中に渡英しますから」
勿論仕事でですけどね。と付け加える
「いつ戻ってくるの?」
「さぁ?暫くは戻りません」
「暫くってどれぐらい?」
「どうですかね?数年って感じですかね?」
高野さんはグイッ身体を離し俺の顔を見つめる
俺も高野さんの顔を見上げ、「本当ですよ」と伝えた
「もう遅いんですよ」
「何が?」
「そもそも高野さんが・・・」
「俺が何?」
「俺の事を拒絶したのがいけないんです」
「俺が?」
「はい」
「いつ小野寺のことを拒絶したの?」
「だって・・・俺のことが分からないって言ったじゃないですか?!」
「それってさ、俺がどんなに口説いても全然答えないからじゃないの?」
「それは・・そうなんですが・・・」
「素直になれば?」
「だからもう遅いんです!」
何で分からないのかなぁーこの人は
俺の葛藤なんてお構いなしって感じだし、やっぱり俺様なんだよな
さっきまで子供のように泣いていた人とは思えない・・・
「キャンセルできないの?」
「旅行じゃないんですから、キャンセルなんてありませんよ」
「んじゃ、二人で掛け落ちする?」
「何故?」
「俺はお前を離さない」
「勝手な事を言わないで下さい。無責任すぎます」
「誰も知らないところに行こう」
「だから!無責任なんですよ!」
俺は声を荒げて、高野さんにキツく答えると「それでもお前と一緒にいたい」と真剣な顔で答えるもんだから
俺はグッと喉を鳴らしてしまった・・・
作品名:世界一初恋 高x律 葛藤 作家名:jyoshico