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世界一初恋 高x律 葛藤

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【SIDE 律 Eパート 9/9】 ---------------------------

会場には、雛壇が設置されており、壇上の前には記者団が居座っている
その記者団の後には、今回出席している同業他社及び政財界の面々が立食パーティ状態で
参加している

照明は少し落とされ、俺の席からは記者団ぐらいまでしか見えない
父が今回の海外進出先を英国に決めたことやら、今後の小野寺出版についての方向性を話し
残すは記者団からの質問だけとなった

記:「事実上、律さんが小野寺出版を継がれるという形になるのでしょうか?」

父:「いいえ。世襲企業では社員のモチベーションが上がりませんので、
   今後は実力のある若者が小野寺出版を引っ張っていく時代と考えております」

記:「律さんにはご婚約者がいらっしゃいましたが、英国に行く前に挙式となるのでしょうか?」

律:「いいえ。既に婚約は解消しております」

記:「それでは、別に思い人がいると言うことでしょうか?」

律:「どういうことですか?」

記:「失礼ながら、指輪が見えましたので」

律:「あーーコホン。これは”虫よけ”です」

記:「虫よけですか?」

律:「ええ。嫉妬深い恋人がいますので、”虫よけ”にと渡されました」

記:「恋人とは遠距離恋愛になりますよね?不安は無いんですか?」

律:「ええ。不安はありません。それに、三年後迎いに行きますから」

司:「そろそろお時間です」

ゆっくりと立ちあがり、記者団に一礼し雛壇から退場した俺は、緊張と疲れがMAXに襲ってきて、
まるで校了日のような疲労感が襲った

あー疲れた・・・もう帰りたい・・・

安岡さんに肩を借りながら、フラフラと控室へ戻ると、ドアにもたれ掛っているホスト風の男を発見
おいおい・・・何故あんたがここにいる?

「あのぉー何故ここに高野さんが居るのでしょうか?」

「お疲れさん」

「いや・・あの。お疲れ様です?」

「なんで疑問符?」

「だから、どうしてあんたがココにいるんだってことですよ!」

「うーん。逢いたいから?」

「どうして疑問符?」
ここで押し問答しても仕方ないので、控室に入りソファーにドカッと座る
安岡さんは気を使って外に出てくれた

「で、何故ですか?」

「井坂さんの代理」

「井坂さん?」
あーそういえば丸川書店も招待客だったしね。
って言うか、職務放棄か!あの人は!

「記者会見、聞いてた」

「はぁ、そうですか」

「俺って嫉妬深い恋人?」

「十分、嫉妬深いですよ」

「三年」

「え?」

「英国に三年行くんだ」

「あーー実は期間は未定なんですよ」

「?」

「一、二年じゃ軌道に乗らないし、かといってズルズルと五年、十年になるのはイヤだったので。
 適当に三年って言いました」

「なんだよそれ」

「あの場で”三年”って宣言すれば、俺のやる気もあがりますし」

「ハァ?」

「それに高野さんだって、”いつまで”か知りたいでしょ?」

「・・・・・・」

「三年後、高野さんを迎えに行きます」

「俺が嫁?」

「ちょっとキモイですね・・・」

「まー料理も掃除も洗濯も俺の方が出来るからな。別に俺”嫁”でもいいよ」

「やっぱりキモイんで、やめます」

「迎えに来てくれないの?」

「・・・三年後、俺を見つけてください」

「りょーかい」

作品名:世界一初恋 高x律 葛藤 作家名:jyoshico