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世界一初恋 高x律 葛藤

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【SIDE 高野 Eパート 1/5】 ---------------------------

翌日から、俺は律を探すために走りまわった
小野寺の行きそうな場所・・・
コンビニ、本屋、そして図書館

”灯台もと暗し”と云ってたので、今住んでいる最寄駅から前後の場所を手当たり次第探した

コンビニや本屋では店員に携帯で撮った小野寺の画像を見せ「見かけたことない?」と
尋ね、図書館ではアイツが好みそうな文芸の本を手に取り貸出カードを確認する

息つく暇もなく、ただ只管(ひたすら)に探した



「ここが最後か・・・」

自宅マンションとは正反対の方向にある図書館
以前、林さんと逢った時に見かけたのを思い出した

中に入り、ゆっくりと書架に続く通路を確認する
すると、この時間には似合わない成人男性を見つけた
遠くからでも分かる・・・

ドキッ!
心臓が跳ねた・・・

「見つけた・・・」
俺は気付かれないように静かに背後に回り込み、小野寺が取ろうとした本を代わりに渡すと
突然逃げようとしたので、襟首を掴み「逃げるな」と地を這う程低い声で引き留めた

掴んでいた肩が痛いと涙を流す・・・
違うだろ?肩が痛くて泣いてる訳じゃないだろ?
だってお前、俺の顔みた瞬間に涙を流してたよ・・・

一旦手を離すと、サッと俺の横を通り逃げて行く
俺は図書館の玄関の外で壁にもたれ掛り、腕組みをして小野寺が出てくるのを待った

玄関付近で俺を確認すると、図書館の中に戻り何やら館員に聞いている
恐らく「他に出口ありますか?」なんて尋ねてるんだろう
なんて往生際が悪いんだ

いつまで経っても出てこない小野寺に痺れを切らし、
アイツの腕を捕まえて、無理やり外に出した



小野寺を逃げられないように抱きしめなあら、「お前のうち、どこ?」と尋ねても答えない
何度「どこ?」と尋ねても答えてくれない

今俺の腕の中にいるハズのなのに、力を込めて存在を確認するように抱きしめても
何の反応はしない
仕舞には睨まれ「どこだっていいでしょ!しつこいですよ!」と俺を突き放す

それでも諦めずに「どこ?お前のうち、どこにあるの?」としつこく言うと、
小野寺は観念したのか、俺を自宅へと案内した


作品名:世界一初恋 高x律 葛藤 作家名:jyoshico