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世界一初恋 高x律 葛藤

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【SIDE 高野 Eパート 4/5】 ---------------------------

安岡が部屋を出て行った後、俺は小野寺を抱きしめ何度も名前を呼んだ
今俺が出来ること・・・俺がしてやれるのは何だ?
愛を囁くことか?それとも潔くお前の元を離れることなのか?
否、離れることなんて出来ない。これだけは譲れない

「仕方ないので、今日一日は高野さんと一緒にいてあげます」

その一言が嬉しかった
俺は力強く小野寺を抱きしめ「く・・苦しいです」と苦情を漏らしていたが
力を弱めることはできなかった



何度もお互いの身体を繋ぎ、俺の存在を忘れないように所有の証を付けた
白い肌に浮かび上がる赤い花
全て俺のものだ!と確認するように跡を残す

「律・・・名前を呼んで」

一瞬躊躇ったが、小野寺は「政宗さん」と小声で答える
もっと・・・もっともっと俺を呼んで
”嵯峨先輩”でもなく”高野さん”でもない、今も昔も変わらないファーストネーム

小野寺の口から甘く囁かれる俺の名前は、未だかつて誰にも感じなかった幸福感に溢れていた
「嬉しい。律に名前読んでもらえるの嬉しい」

素直に答えると「・・・そんなことなら、もっと前に言えばいいのに」とボソッっと悪態をつく
以前のお前だったら、お願いしたって呼ばなかったくせに・・・

喉が渇いたので、水を取りにベットから離れた
ついでに、林さんから受け取ったペアリングの箱を持って寝室に戻る
受け取ってくれるだろうか・・・

指輪を見せた時、小野寺はポカンと間抜けな表情をしていた
「左手貸して」
小野寺の薬指に指輪をはめて、キスを落す
色白く細い指にシンプルだが銀色の指輪がとても映える

「俺にもはめて」
もう片方の小箱を小野寺に見せると、おずおずと手を伸ばし薬指に指輪を通した

嬉しい・・・
「俺、待ってるから
 ずっと。ずっーと律のこと待ってる
 だから俺のところに戻って来て」

小野寺の左手の指輪を撫でながら、返事を待つ
どう答える?

「浮気したら地の果てまで追いかけて、殺しますよ」
殺害予告・・・まぁー俺は浮気なんてしねぇーよ

茶化す様に「それってプロポーズ?」と聞くと「はい。そうですよ」と躊躇なく答えた
まさか素直に答えるとは思っていなかった俺は、予想外のことに呆気に取られてしまったが、
これって再会して初めての告白ってことだよな?

お前こそ、浮気すんじゃねぇーぞ



パーティー当日、俺は後ろ髪を引かれる思いで小野寺のマンションを後にした
一旦自宅に戻り、出社の準備をしていると、井坂さんから連絡が入った

「どうしました?」

「おー高野!悪いんだけどさ、俺の頼み聞いてくんない?」

「なんでしょう?」

「今日某出版会社のパーティーに呼ばれてんだけど、ダブルブッキングしちゃってさぁー
 急きょ行けなくなったから、お前が代理で出席して欲しいんだけど?」

某出版会社って・・・小野寺出版か
「あんたワザとでしょ?」

「嫌だなぁー疑ってるの?
 別に無理強いはしないけど、ダメなら他あたるし」

「いえ・・行きます」

「じゃ!よろしくね!」

ふぅーとひと息入れ、ベランダを開け煙草に火を付ける
つい先程別れた小野寺を思い出しながら「驚くだろうなぁーアイツ」とクツクツと笑った

作品名:世界一初恋 高x律 葛藤 作家名:jyoshico