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世界一初恋 高x律 最初で最後の恋

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--- 見つけた

小野寺の表情を見た時、本人の口からは聞いていないが
『織田律』 = 『小野寺律』 という図式が完成した

と同時に、俺は同じ相手に二度も惚れたのかと思った

小野寺の手からグラスを取り上げボーイに俺のも含めて渡す
未だ俯きながら何も答えず、会場の喧騒が響き渡る

小野寺の腕を掴み、会場の死角になる場所まで連れて行き、すぐさま抱きしめる
ビクッとした身体を包み込むように、もう一度抱きしめ耳元で囁く
「俺さ、高三の時両親が離婚してるから、旧姓『嵯峨政宗』って言うんだ」

小野寺は数秒間フリーズしたかと思ったら、急に暴れ出した
「離して下さい!!」

俺の腕の中でもがく小野寺を離してなるものか!と強く力を込める
「逃げるな、律」そう囁くと、「離せ!離せ!」と更に暴れる

暫くすると諦めたのか、小野寺の動きが止まった
そしてポツリポツリとくぐもった声で話し始める

「あんた、よくもヌケヌケと俺の前で名乗れたな・・」
人が変わったかのような口調で続ける

「若気の至りとはいえ、一応本気で好きだったのに・・
 人をもてあそんで捨てったクセに!!」
顔を上げ、キッと睨んだ瞳には涙が溜まり今にも崩壊しそうな状態だった

「いきなり人に回し蹴りして、
 次の日から消息不明になったのはどこのどいつだ!?」

「え?回し蹴り?」
俺は小野寺と当時のことを言い合うと、ひとつの結論が出た
そう・・・互いの感違いが原因だったことが分かった

「そーゆーことなら口説いてもいーんだよな?」
小野寺の目を見つめながら続ける

「そんな恋愛しても俺はお前が忘れられなかった。だから・・・」
離れた半身を取り戻すかのように抱きしめながら
「もう一度俺を好きって言わせてやる。覚悟しとけ」
ギュッと力を込めると「なっ・・ふざけんな」と掠れた声で反論し、
俺の足を踏みつけ油断した隙に走って逃げて行った



次の日から、俺は容赦なく小野寺をかまい通した
顔を合わせれば「好きだ」と囁き、
帰宅した小野寺を玄関先で拉致し、俺の部屋へ上がらせ強制的に一緒に夕飯を共にしたり、
休日はデートだと言って寝起きの小野寺を無理やり車の乗せドライブを楽しんだ
しかし、一線だけは超えなかった

その理由は、完全に拒絶されることを恐れていたからだ

小野寺は悪態をつきながらも、何だかんだで最後は大人しく俺についてくる
近寄れば顔を真っ赤にして抵抗してくるが、掴んだ手を離すことはなかった

「お前、俺のこと好きなんだろ?」
そう聞いても「それはない!」と、最近では合言葉のような台詞を吐く

小野寺の態度を見ていれば分かる
名乗りを上げる前と後では急激に態度や仕草、表情が違う
自惚れではないが、明らかに俺を意識していることが手に取ってわかった

だから勝負に出た