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世界一初恋 高x律 記憶喪失

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--- 男が男に恋をする

例えば憧れから始まり次第に感情が芽生え、結果「好き」になる
または異性に対して全く興味がなく、同性しか愛せない・・とか

以前の俺には理解できない世界だったが、
最近は少し・・いや・・かなりヤバイかもしれない

俺の担当作家一之瀬絵梨佳(通称 絵梨佳様)の要請で、居酒屋に来ている
店内に入り、奥の席へ案内された時、小野寺が女性と二人っきりで食事をしていた

彼女の方は既に酔っぱらっており、細い指で小野寺の髪を触りながら何か話している
小野寺も嫌がる気配はなく、「家まで送っていくから」と彼女の手を取り立ちあがろうとしていた

心臓が鷲掴みされたような衝撃を受けた
カッと頭に血が昇り、身体が震える。息が荒くなる。
胸を抑えながら少し前かがみになり、息を整えようとしても一向に収まらない

絵梨佳様はそんな俺に気付き「大丈夫ですか?」と声をかけてくれたが、
俺は片手を上げて大丈夫ですと返事を返した

イライラする

小野寺が俺以外の奴と一緒にいて、俺以外に笑顔を振りまき、俺以外に触れされる
こんな気持初めてだった
暫くして落ち着き、チラリと小野寺のいた席に目を向けると後ろ姿で荷持つを手にする姿が見えた

ドキッ・・ドキッ・・ドキッ・・ドキッ

ただ後ろ姿を見ただけでなのに、俺の鼓動は高鳴り、同時に「愛しい」という感情が芽生えた

そう・・俺は、小野寺に恋をした



自分の感情に気付いた俺は、仕事とプライベートを分けるよう努力をしたが、
無理に意識しすぎて、つい小野寺にキツク当たってしまう
以前の俺なら、公私混同などしないのだが、今回はあまりにも近くにいすぎて空回りする

落ち込んでいる小野寺に優しく声をかけ、慰めている木佐を見るだけでもイライラするし
他部署の奴が声をかけているだけでもイライラする

ドス黒いオーラに気付いた部員達は、なるべく近寄らないように俺との距離を置く
もちろん、小野寺もその中の一人だ
更にイライラが募り、俺の怒りゲージはMAXを超えようとしていた



帰宅準備をする小野寺を捕まえ、「上司命令」権限で部屋呑みをすることになった
最初はビクビクとしていた小野寺も、3缶目のビールを手にした時にはリラックスしていた

「お前さ、今まで付き合った人数って何人?」

無難な質問だったと思うが、小野寺は顔を真っ赤に染め「なっ!何でそんなこと聞くんですか!」と
反応を返したが、俺が答えを急かすと

「えっと・・・5人ぐらいだったと思います」

「ふーん」

「たっ・・高野さんは?」

「俺はいちいち数えてないな。長続きしないんだよ」
グビッと一口ビールを含み、話しを続けた

「俺さ、記憶が10年分しかないんだよ」
四国で交通事故に遭い、記憶を無くしたことを話すと、
小野寺は泣くのをぐっと堪えているような表情で見つめる

「寂しくないんですか?」

「べつに」

「そうですか」とポツリと呟くと、ツーと一筋の涙が零れた

「俺の為に泣いてくれんの?」
傍まで近づき、親指でそっと涙を拭きとり顎を掴みクイッと顔を上げさせる

「ちょっ・・・これは別に・・」
顎を掴む手を弾いた時、俺は小野寺の両腕を掴み床に押し倒した
グイッと顔を近づけ「顔赤いけど?」ニヤリと意地悪く笑うと、
「セクハラ・パワハラで訴えますよ!」と吠える

「悪い。調子に乗り過ぎた」
小野寺を起き上がらせ、俺は隣に座る

チラリと横顔を伺うと、耳まで真っ赤にしてブツブツ何かを言っている
そっと優しく髪に指を絡ませながら「ごめん」とつぶやくと
「もう・・いいです。」謝ってくれたから・・と俯きながら小声で答える小野寺を「可愛い」と思った