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世界一初恋 高x律 記憶喪失

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--- 最近やたらと同じ夢を見る

場所は毎回学校の図書室で、俺は窓際に座り本を読んでいる
風でカーテンがヒラリと舞い、グラウンドからは部活同中の声が聞こえる

穏やかな時間
世界から切り離されたような空間で、俺は本を読む

だが、図書室の扉が開くたびに顔をあげ人物を確認する
まるで誰かを探しているかのように・・・

『先輩』

そう声を掛けられ、振り返った時に目が覚める



恐らく記憶を無くす前の”俺の記憶”
今までこんなことは一度も無かったのに不思議だ
そして目が覚めた時、必ず焦燥感に襲われる

そんな時は鎮静剤代わりに小野寺に逢いに行く
平日なら同伴出勤し、休日の場合は仕事を理由に部屋が上がり込む

小野寺が傍にいるだけで安心できた

最近の俺の行動に疑問を持ち始めた小野寺は、
部屋でコーヒーを飲んでいると「高野さん」と話しかけてきた

「あのぉー気のせいだったら別に良いんですが、
 何か悩み事でもあるんですか?」

最近の高野さん、ちょっと変ですよね?と不思議そうに見つめる

「あ?」
素っ気なく返事を返すと、小野寺は言葉を続けた

「俺で良ければ、何でも話し聞きますよ
 俺が原因だったらすみません・・
 でも、何だか高野さん辛そうだったから、俺何かできないかなって思って」

いつも仕事でお世話になってますから・・・と尻つぼみしながら話す

『先輩の気持ちが軽くなればとか思って・・・』

ズキンと頭に衝撃が走る
俺は頭を抱えて「痛い」と呟くと、小野寺はワタワタし「大丈夫ですか?横になりますか?」と
世話を焼き始める

「ちょっと横にならせて」
ソファーに横になろうとした時、「ここじゃ身体痛くなるんで、俺のベット使って下さい」と
腕を引っ張り寝室へと案内した



俺は何を忘れているんだ?
とても大事な事を忘れてしまってるんじゃないのか?

薄らと開いた目で天井を見上げながら、寝室の扉が開かれるまで考えていた