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世界一初恋 高x律 記憶喪失

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--- 高野政宗 旧姓 嵯峨政宗

『なんで俺のこと好きなの?』
『は・・話せば長いです。み・・三日位かかります』

『なんでお前そんなに俺のこと好きなの?』
『何でって・・・先輩だから・・・』

誰も居なくなった図書室で、俺の自宅で、何度も身体を繋げて抱き合って、キスして・・

少しずつだが、記憶が戻ってきていた
だが、肝心な部分が思い出せない

どうして俺達は別れたのか・・・・



小野寺を懐かしいと思ったのは、過去に付き合っていたからで、
だけど、今目の前にいる小野寺を愛おしいと感じている

酒の席で、あいつは過去の俺との恋愛を”無かったもの”としていた
”臭いものには蓋をしろ”
小野寺を苦しませ悲しませた原因である俺自身、何故別れたのか理解できないでいた

--- それならば、今の俺を好きになってもらえばいい

嵯峨政宗ではなく、高野政宗として俺のことを好きになってもらい
もう一度、やり直せばいい

意を決して、俺は小野寺に告白をした

最初は呆けた表情で、俺の言葉が理解できなかったらしい
だからもう一度、今度は抱きしめながら耳元で囁く

「小野寺が好きだ」

何度も「好きだ」「好きだ」と伝える

「俺と・・・その・・付き合うってことですか?」
ようやく動きだした頭で理解したのか、ポツリと吐く

「ああ。お前と恋人になりたい」

「というか、男同士で付き合って何するんですか?」
俺は小野寺の唇に軽く触れた後、舌を潜り込ませて、ぐるりと口内を撫でまわした
舌を絡めて、歯列をなぞって、口腔を掻き乱す

「こーゆーこと」
チュッと音を立てて額に口づけると、
小野寺はおずおずと俺の背中に手を伸ばし、抱きしめ返した

「・・・小野寺?」

「お・・俺も・・高野さんの事が好きです」
ギュッと顔を俺の胸に押し付け、答える姿を見て「可愛い・・・」と思わず口走ってしまった

「へ?」と涙目で上目使いをされ、俺の理性はぶっ飛んだ

めでたく両想いなんだ。
それならやることはひとつだろ?

小野寺の手を繋ぎながら、俺は寝室へと向かった



小野寺と恋人同士になって数カ月が経過した
相変わらず職場では上司と部下として接しているが
自宅に帰ればプライベートの時間を甘く過ごしていた

だから、油断していたんだと思う