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世界一初恋 高x律 出会えた奇跡

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--- 10年前、俺は初めて心から好きになった恋人の手を離してしまった

何故か分からないが、突然回し蹴りをくらい、翌日から消息不明になってしまった
丁度、両親の離婚が決まり転校を余儀なくされ、探す暇も無かったが、
それでも、時間の許す限りあいつを探した

図書室で待っていれば、また戻ってくるかもしれない・・・
でも、あいつは来なかった

それ以来、どんな恋愛をしても『織田律』のことを忘れられなかった



小野寺と逢ってからというもの、俺は乙女の様に心がざわつく

--- サラサラの栗色の髪
--- 吸い込まれるようなエメラルドの瞳
--- 穏やかな笑顔
--- 透き通る白い肌
--- 艶やかな唇

目を閉じ、思い出すだけで鼓動は高鳴り身体の中心が熱くなる

随分と久しぶりの感覚だった
『織田律』以来の恋心



数回食事に誘ったり、買い物と称してドライブ連れ出したりした
少しでも小野寺を近くに感じたいからだ

そして、今日も夕飯に招待すべく隣人のドアを叩く

開かれた扉から現れた小野寺は部屋の掃除をしていたのだろうか?
そっと頭に触れるとビクッとしたあと、俺の手を弾いた

「ゴミ。髪に付いてる」

「あっ・・・すみません・・・」

「じっとしてて」
再度、ゆっくりと柔らかい髪に指を絡ませ取り除く

身動きしない小野寺を怪訝に思い声を掛けると
上目使いでとろんとしたエメラルドの瞳でじっと俺を見つる
上気した頬がかすかな色気を漂わせている

俺はグッと喉を鳴らし、理性を総動員し堪える
--- 煽るな!バカ!