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世界一初恋 高x律 パラレル

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【SIDE 律】

携帯が鳴ってる
ドアがけたたましく叩かれ、チャイムも連打されて頭に響く

こんな近所迷惑なことをする人物はこの世で一人しかいない・・・
いつもなら文句の一つでも言ってやりたいんだけど、身体が重くて動かない
意識はあるけど目が開かない

騒音を聞きながら無理矢理身体を動かそうとすると、隣で「俺がでる」と聞こえた
一気に意識が覚醒し、ハッと目を開けると、いつもなら居ないハズの彼が苦笑いしながら俺を見る

「・・・なんで?」
掠れた声で聞くと「何故かな」そう言って寝室を出ようとするのを俺は止める
だって、この騒音は隣人の高野さんが原因で、今彼と合わせるのは不味い

「ダメ・・俺が行くから・・高野君は部屋に居て」
ベットから立ち上がろうとするとクラッと眩暈がして床に座り込む
慌てて高野君が近づいて「無理するなって」そう言って俺をベットの端に座らせる

「大丈夫。多分”俺”だろ?」
玄関の方を見ながら彼は答える

「・・・知ってるの?」
俺の質問には答えず、スタスタと部屋から出て扉を閉める



ガチャと玄関が開く音が聞こえて・・・その後は彼の怒鳴り声だけが響いた

「泣かせるな!」

「大事なら離すな!」

ああ。彼は俺のことを『織田律』と知った上で何も言わず側に居てくれたんだ
胸が締め付けられるほど痛くて、苦しくて、同時に愛しいと思って・・・

自然と涙腺が崩壊して、ポタポタと涙が溢れだす
片手で目を覆っても、留まることがなく俺は泣き崩れる

ズカズカと足音が聞こえて寝室の扉が開く
そこには悲痛な表情の高野さんが立っていて、泣いてる俺に気付くとすぐさま抱きしめた

「ごめん。律・・・ごめん」
俺を包み込むように優しく、大事そうに抱きしめるから、
余計に嗚咽を漏らしながら高野さんにしがみつくことしか出来なかった



高野さんは俺が泣きやむまで、抱きしめながら髪を優しく梳いて、
もう片方の手で背中をあやすようにようにポンポン叩く

高野君は腕を組みながら寝室の壁にもたれかかっていた
ジッっと高野さんを睨みつけるように眺めている

高野さんは視線に気付いたのか、首だけを高野君に向けて
「気を使えよ。それとも俺達のラブシーンみたいの?」
高野さんは意地悪くニヤリと笑うと、「見てて欲しいならみてるけど?」高野君も不敵にニヤリと笑う

新旧対決勃発

俺は慌てて「高野さん!」と声を掛けるが「黙ってろ」と一喝されてしまった
それならば「高野君!」と言うと「律は黙ってて」とこちらも引かず・・・・

「俺の”律”に手出してないだろな?」
「さーね」
「殺すぞ」
「やってみれば?」

「ふーん。ちなみにお前の”律”は俺のところにいるけど?」
「ちょっかい出してないだろうな?」
「さーね」
「殺すぞ」
「やってみれば?」

何なんだ!ドス黒いオーラを出しながら言い合ってるけど、これじゃ子供の喧嘩じゃないか!!
って・・あれ?今高野さん何て言いました?

「”お前の律”?」
俺は高野さんの顔をグイッと両手で掴み無理やり前を向かせた
「痛っ・・何すんだよ」
「ちょっと高野さん?どういうことですか?ちゃんと説明してください!」
「あー俺のことろに”お前”がいる」
「ハァ?」
「お前バカか?だから俺の部屋に昔のお前が居るんだよ」
「何故?」
「知るか。お前だって部屋に”俺”が居るじゃねーか」
「・・・・・っ!」

クイッっと高野君を見ると、ニヤッっと笑って片手を上げ寝室から出て行った
玄関がパタリと閉まった音が聞こえたから、多分隣の部屋に行ったんだろう

「律」
高野さんは俺が掴んでいる顔の両手に自分の手を重ねてきた
そのまま、ゆっくりと近づいてきて俺は目をそっと閉じた

--- あの二人も逢えたのかな・・・