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世界一初恋 高x律 パラレル

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【SIDE 高野】

小野寺と再会したときは動揺したし、また好きになるとは思わなかった
でもあいつと仕事をして側にいたら、今も昔も関係なくやっぱり俺はあいつが好きだって思ったんだ

あいつが全く俺に気付かないからイライラして『旧姓、嵯峨政宗』と伝えたとき、
可愛い顔が般若の如く歪んで追い掛けてきたときは笑ったな

なんだか訳わかんないこと言ってたけど、要するにお互いガキで勘違で別れたことが分かったから
俺はあいつを口説くことにした

元恋人、職場も一緒、部屋は隣同士、こんな偶然早々ないだろ?

修羅場中は忙しくて小野寺を構ってやることが出来なかったから、
校了後は思う存分、あいつを可愛がってやろうと決めてたんだ

それなのに・・・小野寺の奴、俺が目を離した隙に逃げやがった



マンションの地下駐車場に車庫入れし、12階の俺の部屋に向かう

まぁー俺から逃げても、帰るところは隣部屋だ
『上司権限』を使えばあいつは渋々部屋から出てくるだろう
そこを捕まえれば問題ない

「バカなヤツ」
自然と緩む口元が抑えきれない

荷持つを置いて、風呂入ってスッキリしたら隣へ押し込もうと考えながら
玄関の鍵を開けると、違和感を感じた

リビングの電気が点いている?
家を出る時に消しているハズだが・・・

そっとリビングの扉を開くと、一人の青年がソファーにちょこんと座って頭を抱えている
「お前だれ?」
その声を聞いて顔を上げた青年を見て、俺は心臓が止まるかと思った

目の前にいる青年は『小野寺律』
今より幼く、でも高校の頃よりも今の小野寺に近い感じだった

「今いくつ?」
”誰”だかは分かっているので、思わず年齢を確かめる
彼は突然年齢を聞かれて訝しんでいるようだが、一応こちらの質問に答えてきた

「小野寺律。歳は十八。あなたは?」

「俺は高野政宗。歳は27。どうやって入ってきた?」
鞄を床に置き、彼を気にしない素振りでキッチンに向かい「コーヒー飲むか?」と聞く

彼はコクリと頷いた後
「俺が知りたいですよ・・気が付いたら・・ココに・・・」と困惑している

カップを渡すとフーフーと冷まし、ゆっくりと口づける
「ここ・・日本ですよね?俺、イギリスに居たのに・・・」
首を傾げながら「うーん夢なのかな?リアルだな・・」とブツブツ言う

そうか。この頃の小野寺はイギリス留学中で日本には居ない
まぁー俺が原因で留学したんだけどな

「気が済むまでここに居ればいい。そのうち戻れるだろ」
俺はこの状況を楽しむことにした
夢ならそれでいいさ。俺の知らない頃の小野寺が目の前に居て、俺と会話する

--- こいつには色々と聞きたいことがあるんだ・・・

「はい・・すみません。お世話になります」
軽く頭を下げた時、サラリと栗色の髪が揺れる
俺は思わず頭に手をあて、指に絡ませ髪を梳く

ビクッとなった小野寺が恐る恐る俺の顔を見上げる
「わるい。嫌だったか?」
つい何時もあいつにしている仕草で小野寺に触れてしまった

「いえ・・ちょっと驚いただけです。その・・懐かしいな・・と思って」
俺が首を傾げていると、「昔、同じように撫でてくれた人がいたんです」と苦笑いしながら答える

「だれ?恋人?」

「・・・元恋人です。昔のことなので殆ど忘れましたけど」
まるで泣くのをグッっと我慢しているような表情で俺を見つめる

「ふーん」
俺のことか・・・
この頃のあいつは”嵯峨先輩”を忘れるように暗示でもかけていたのだろうか
そんなに必死に忘れたいほど、俺との別れが辛かったってことか・・・

ふぅーとひと息吐き、天井を見つめながら考える
とりあえず、今夜は隣に行くのはやめよう・・・