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世界一初恋 高x律 パラレル

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【SIDE 律】

起きると、ミニ高野は居なかった

昨日自己紹介の後、「部屋が汚い!」やら「茶ぐらい淹れろ!」と散々横暴なことを言った後
甲斐甲斐しく部屋を片付け始め、落ち着いたところで俺はコーヒーを淹れて・・・

「”高野君”って呼んでいいかな?」
今目の前にいる彼は俺より年下だから呼び捨てでもいいのだが、
どうしても隣人の高野さんと被ってしまい、流石に無理!と思って確認してみた

「ああ。別に呼び方なんて気にしないから」
コーヒーを啜りながら答えた

「あんたのこと・・・」と一旦言いかけ漆黒の目で俺をジッと見た後
「”律”って呼んでいい?」と聞いてきた

はぁ?何故年下にファーストネームで呼び捨てなんだ?
「何故呼び捨て?俺年上なんだけど?」

「”律”って呼びたい。だめ?」
目を細め淋しそうな表情で俺を見て言うから・・・つい「いいよ」と答えてしまった・・・

俺って今も昔もこの人に勝てないんだな・・・何だか自己嫌悪

グッタリと項垂れていると、「俺眠いんだけど?」と床の準備を催促してきた

「あー予備の布団持ってないんだけど?ソファーでもいい?」
徹夜&デット入稿で疲れがMAXの挙句、この間違った状態でベットを譲る気はない
俺だってゆっくりと眠りたい・・・それこそ永遠に眠っていたいぐらいだ

「ベット」
そう言って、俺の腕を引っ張って寝室へと連れて行く
「ちょっ・・・高野君?」
グイグイと引っ張られ、ポイッとベットに放り出され呆気にとられていると
「添い寝して」と布団の中に入り、俺を離さないように抱きかかえた

「・・・っ!」
驚いて固まっていると「何もしないから」「少しだけ一緒にいて」と小声で囁き
暫くするとスースーと寝息が聞こえてきた

「ハァー」
寝顔を見ると、”嵯峨先輩”の面影があり、可愛いと思ってしまった
彼から伝わる心臓の鼓動はトクントクンと穏やかで、
顔にかかっていた前髪をはらい「おやすみ」と言って、俺も眠りに着いた



夢だったのかな?それとも妄想?幻覚?
俺、病院に行った方がいいかな・・・内科?精神科かな・・

ベットから起き上がり、扉を開くと綺麗に片付いている部屋が広がる
そしてローテーブルにはマグカップが二つ

「夢・・・じゃない?」
頭を軽く振って「いやいや・・・俺疲れてんだ・・」と言い聞かせ洗面所へ向かった