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世界一初恋 高x律 パラレル

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【SIDE 律】

昼間隣人の襲撃を受け、
高野さんの部屋で身ぐるみ剥がされ欲望のままに抱かれた後
強制的に夕飯を一緒に食べて
これ以上は無理!と思い「部屋に戻ります!」と逃げてきたのはいいのだが・・

「おかえり」

「た・・ただいま」

何食わぬ顔でラグマットの上で座って本を読んでる人物--二十歳の高野君
つい数分前まで一緒に居た高野さんと今目の前にいる若い高野君

頭が混乱していると、高野君は立ちあがり「呑む?」と言ってコーヒーを手渡す
「あ・・ありがとう?」
「ん」
って言うか、なんでそんなに落ち着いてるんだ?

額に手をあてグルグルと考えていると
「なんかさ。夜になるとこの部屋に来れるみたい」
淡々と話しながら「SFだよな」と言って笑う

「SFって・・・漫画じゃないんだから」

「それに、あんたと一緒に寝ると熟睡できるんだ」
「?」と思っていると
「俺さ、家庭の事情とかで色々グチャグチャになってて、睡眠薬が無いと寝れないんだよ」

悲痛な表情で俺を見るから、何も言えない俺は俯いてしまった
この頃の高野さんは薬の力を借りないと眠る事さえできないなんて・・・・
今の俺がこの頃の高野さんに出来ることって何だろう?

「あんた・・いい匂いするな」
気がつくと高野君は俺の目の前に立っていて、「え?!」と驚くと
ぎゅっと抱きしめられた

「・・・・っ!」
驚きのあまり声が出なくてジッとしてたら
「少しだけ・・このまま」と耳元で言う
心臓がドキドキと早く鳴って、さっきまで高野さんに抱かれていたことを思い出して
顔が耳まで真っ赤になって、身体が熱くなる

「すげー心臓の音」
「ちっ違っ!」
「ああ。俺のだよ」

更に真っ赤になった俺を見て「あんた可愛いな」と言ってクスっと笑う
あー悔しい・・・
ちょっとカッコいいなんて思ったじゃないか・・

「俺さ、すげー好きだったヤツがいてさ・・」とポツリと話し始める

「でもそいつ突然消息不明になってさ」

「・・・・・・」

「この間そいつが留学して、しかも婚約者がいるって知ったんだ」

「・・・・・・」

「俺、本気で好きだったのにな」

「そっ・・それは・・」

ハッ!として口を閉じた
今の俺が弁解しても意味がなく、余計話しが拗れる気がする
言いかけた言葉を呑みこんだ俺を不思議に思ったのか、「何?」と聞いてくる
「なっ・なんでもない・・話し続けていいよ」

高野君はぎゅっと腕にちからを込めながら
「でも俺、忘れられないんだ」
泣いているかのように肩を震わせて言う

俺はそっと背中に手を廻し、ポンポンと子供を慰めるように叩く
「・・・忘れなくてもいいんじゃない?」

「俺の『初恋』なんだ」

「うん」

「俺に愛することを教えてくれたんだ」

「うん」

「俺に無償の愛をいっぱいくれたんだ」

「うん」

「逢いたいよ・・律・・」

「・・・うん」

そんな素直な彼が狂おしいほど愛しくて、
隣人の横暴俺様上司とはかけ離れてて・・・
勘違いとはいえ回し蹴りして逃げた俺をまだ好きだと言ってくれる
逢いたいと言ってくれる

「・・・逢えるよ。忘れなければ」
そう・・俺達は数年後再会できる
今は素直に「好き」って伝えられないけど、もう少し待ってて

俺はぎゅっと抱きしめ返した後、彼の頭をくしゃりと撫でた