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けいおん! LOVE!LOVE!LIVE! 〈1〉

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先生の自己紹介。俺たちの自己紹介を終え、この日の日程は終了した。
「唯、一緒に帰らない?」
誰かが唯に話しかけていたのでので振り向くと、眼鏡をかけた女子が平沢に声をかけていた。
確か……真鍋和だったっけ?
「うん、いいよ。あ、りょうくんも一緒でいい?」
「りょうくん?」
真鍋は誰のことか分からないらしい。
「俺だよ」
「ああ、日暮君ね。朝は唯がお世話になったそうね」
お世話つっても教室まで一緒に行っただけだけどな。
「唯1人だったら多分倍の時間をかけて教室に来るでしょうね」
ああ、そりゃそうかもな。
「酷いよ二人とも~!」
俺たちは笑い合った。
ああ、やっぱ楽しいなあ、高校生活。
ああ、ホント楽しかったよ。

……あの存在を永久に忘れていたら……!!!

そして時はぶっ飛び4月下旬。
高校生活にも慣れ始め、心のどこかにあった緊張感がなくなりかけた時期だ。
だが、その緊張感は心の全体へ広がり、復活することになる。
う~ん、と後ろで唸り声が聞こえる。
俺も唸り声は挙げてないが挙げたい気分になっていた。
「どうしたのよ二人とも」
通りかかった真鍋が声をかけてきた。
真鍋が俺の机の上に広げてあるA4サイズの紙に目を通した。
「これって部活の希望用紙じゃない。二人ともまだ出してなかったの?」
しょうがないだろ。やりたい事ねえんだから。それに……。
ちなみに後ろの平沢さんは部活動を1度もした事がないそうで。
「はぁ……こうやってニートが出来上がっていくのね」
「「部活やってないだけでニート!?」」
「二人とも、ホントに高校生になって知り合ったの?どう見ても小学校のころぐらいから一緒にいる人達並に息がぴったりね」
ふふ、ツッコミが長すぎだな。
まだまだ俺のツッコミパワーには勝てないぞ。真鍋君。
「別にいいわよそんなの。それより早く決めないと色々とまずいわよ」
だよなあ……。
唯も結構気にしているらしく、(主にさっきのニート発言で)しばらくボーッとしていた。

それから次の日。
「え!?遼祐まだ部活入ってなかったの!?」
「そんな驚くことかよ」
俺の目の前で弁当をがっついている門村浩文にそう言ってやった。
こいつは俺が幼稚園のころからの腐れ縁で中学は違ったが、高校で同じクラスになった。
「っていうか、遼祐中学の時は部活してなかったの?」
卵焼きを箸で刺して、口の中に入れようとしていた俺の手が止まった。
一応してたにはしてたさ。だけど……。
「……ああ、まあな」
卵焼きを口に放り込んだ。
「って言うか、お前なに部に入ったんだよ」
「僕は陸上部に」
「お前足速い上に頭がいいなんてどんだけ才能に恵まれてるんだよ」
「遼祐だって一応勉強はできてるし、運動神経だっていいじゃん」
「お前よりは劣るがな」
ご飯をむりやり口に放り込んだ。

昼飯の後、無性に腹ごなしの散歩がしたくなった。
と、外に出て掲示板をふと見ると、なにやら唯が珍しそうな顔で掲示板とにらめっこしていた。
テントウムシの次は掲示板かよ。
「何見てんだ平沢」
「あ、りょうくん!ねえねえ、私入る部活決めたよ!」
しまったぁぁぁ!よりによってこいつ、先に入りやがった。
「どこに入るんだ?」
「軽音部!」
……けいおん?
「へえ、そうか。なんで?」
「だって、軽い音楽って書くから簡単な事しかしないんだよね?」
思いっきり俺はずっこけた。いや、マジで。
「ちげぇよ!って言うかなんで部活まで簡単な物を!?」
「だって、私とりえがないし……」
「あ……」
そうだ。こいつもあんまり目立った特徴というものがない。
勉強ができるわけでもなければ運動もできるわけでもなかった。
授業はまともに聞かんわ、話聞かんわでなんど俺にすがりついてきたことか……。
「だから、部活は挑戦した事ないものにしようと思って……」
やばい、涙目になってる。このままじゃあ……!!
「ほ、ほら見ろよ!ギターとかやるらしいぜ!」
「え、そうなの?」
何をする部だと思ってたんだ。
「カスタネットとか、ハーモニカとか」
楽器部へ行け。
溜息をつき、そして
「……よし、行ってみるか」
「楽器部に行くの?」
「バカ、ちげーよ。軽音部だよ、軽音部」
えっ?っと平沢が不思議な物を見るような眼で見てくる。
「とりあえず見学だけでもしてみようぜ。とりあえず見て、それから考えてみるのも悪くないんじゃねえか?」
「う、うん!そうするっ!ありがとう、りょうくん!」
平沢に笑顔が戻った。よかった、泣かれなくて済んだ。

その次の日。
「りょうくん!早く早く!」
「あ~、分かった分かった!すぐ行く!」
平沢にせかされ、教科書を鞄へぶち込む。やべ、ipodが潰されてる。

「あ、そいやお前先生に何か紙出してなかったか?」
部室棟への廊下を歩きながら昼休憩の平沢の行動についての疑問を俺は口にした。
「うん、入部希望書」
「バカ野郎!!見学するだけだって言っただろうが!!」
大丈夫かよこの天然……。
「あ!そうだったぁ~……どうしよぉ~」
「ったく……大丈夫かよおい」
俺は頭を抱えた。まあ、多分大丈夫か。自信ないけど。

「こ、ここだよねぇ……?」
「そうだな。ってか、何故緊張してる」
「だって……間違えて入部希望書を出しちゃったから……もし辞めるって言ったらきっと、白いメイクした人が……ぎゃああああ!!」
どんな想像してるんだお前は。クラウ●ーさんは架空の人物だよ。
俺は扉のドアノブへ手をかけようとした時だった。
「お!もしかして平沢唯さん!?」
後ろから女子の声がしたので振り向くとカチューシャをつけた少女がそこにいた。
その少女は俺の手を握り、
「おまちしておりましたぁ~!いやぁ、すごいオーラを感じましたよ~、名前を見るだけで!見た目もすごいオーラを感じます!!」
どうやらこいつは俺を平沢と勘違いしてるらしい。
「いや、平沢唯は俺じゃなくて……あっちだぞ」
「へ?……平沢唯さんですね!いや~見た目からオーラ全開ですね」
棒読みだぞ。そしてそのオーラとやらは誰にでも出てるのかおい。
「んで、そっちは?」
「ああ、俺はこいつの付き添いみたいなも……「みんな~、入部希望者が来たぞ~」……人の話を聞かんかこらぁ!!」
完全に無視だ。少女は平沢の手を取り、軽音部の部室である音楽準備室へと連れ去った。
俺も溜息交じりに後に続いた。
「ようこそ軽音部へ!」
「歓迎いたします!」
……美女がそこにいた。
黒髪のロングヘアーの少女に金髪の少女。
この二人にはまさに美と言う言葉が似合いそうだ。
だが二人は俺を見て、金髪は疑問の目を、黒髪はちょっと動揺していた。
「そちらの男の子は?」
「俺は付き添いで……「よーしムギ!お茶の準備だぁ!」…………」
……このカチューシャは俺に恨みでもあんのか?

それから数分後、俺と平沢は机に座らされ、目の前には紅茶とクリームとフルーツたっぷりのケーキがあった。
「どうぞ、召し上がって」
俺はフォークを手に取り、ケーキを一口。
「……うめえ!」
つい口に出てしまうぐらい美味しかった。手作りか?
是非作り方を教えてもらいたいぐらいのうまさだ。
「平沢さんはどんなバンドが好きなの?」