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けいおん! LOVE!LOVE!LIVE! 〈1〉

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平沢を横目で見ると、返答に困っていた。
バンドとかどんなのがあるか知らねえのかよ。っていうかバンドって言葉すら分かってるのか。
「好きなギタリストとかは?」
おいおい、やばいんじゃねえのこれ。
て言っても俺もあんま知らねえしなぁ……、アニソン歌手とか声優ならまだなんとか。
「あのっ!!」
平沢が突然立ち上がった。
「実は私、本当はギター弾けないんです!しかもホントは見学しにきただけで……」
ああ、言っちゃった。代わりに俺が言おうと思ったのだが。
だがまさかちゃんと言うとは……やっぱ根はしっかり者なんだな、こいつ。
「私……本当はもっと違う楽器をやるのかと」
おいおい、あん時の俺の話聞いてなかったのかよ!?なんか悲しくなってきた……。
「どんな楽器ならできるの?」
金髪が聞いた。ナイスフォローだ!
「カスt……ハーモニカ!」
「ああ、それならここに……」
「ごめんなさいできません」
お前ハーモニカ出来んかったんかい!?
そしてお前は何故ハーモニカを携行している。
さてと、どうするべきか。
あ、そういえば……。
俺は昼休憩に真鍋から言われた事を思い出した。

『え?平沢を軽音部へ入れてやるのを手伝ってやれ?』
『うん、あの子……中学の時は部活なんかしてなかったし、やっぱり、何か趣味が出来れば、きっとあの子も変われるんじゃないかって』
『はあ……』
『それにあの子……』
『うん?』
『ううん、なんでもない。おねがいできるかしら?』
『まあ……出来る限りはやってみるよ』

「な、なあ!3人とも何か演奏は出来るのか?」
俺も立ち上がり、そういった。
3人の演奏を見れば、何か変われるかもしれない。
「そ、それだ!!」
カチューシャは閃いたように顔が輝いた。
演奏を見れば平沢がもしかしたら入る気になるかもしれない。そう思ったから言ってみたんだが。

それから、3人は演奏の準備を始めた。
カチューシャはドラムで、黒髪はベース、金髪はキーボードか。
んじゃあ後はギターとかがいるのか。
俺と平沢は3人が楽器の調整をしているところを椅子に座って見ていた。
平沢は3人の姿を今までにない歓喜と興奮に満ちた目で見つめている。
俺もその姿を見ていた。
楽器か……そいや、俺もギターちょっといじってたな。
……いや、いじらされたっていうか。
「よし、始めるか!」
カチューシャが準備完了の合図をすると、鉢を上にあげ、
「1、2、3、4……」
4と言った瞬間、同時に演奏が始まった。
曲は翼をくださいだった。なつかしいなあ、小学校の時これの歌詞変えてよく授業中に歌って怒られたっけ。
それから2分間、この音楽準備室は翼をくださいの音色でいっぱいとなった。
やがて演奏が終わると、平沢が急にたちあがって歓声を上げながら拍手を送っていた。
「えへへ……どうだった?」
「なんていうか、凄く言葉にしにくいんですけど……」
「うんうん」
入る気になったか。
これでようやく俺のミッションも……。

「あんまりうまくないですね!!」

……追加でミッションを増やすな。
っていうか何故?何故そういう事をズバッと言う?
すげえよ。でもそのズバッと言うスキルはもっと別のところで使えよ。国会とか。
「でも、なんだか凄く楽しそうでした」
あれ、言葉が続いてる。
「私、この部に入部します!」
……大佐、任務完了だ。帰還するぞ。
どうやらさっきの演奏は心に強く伝わったらしい。
「やったぁぁぁ!4人目だぁぁ!!」
カチューシャが喜んでいる。よほど嬉しかったのだろう。
さて、俺は帰るか。っと、回れ右をしようとすると……。
「だぁぁぁぁ、しまったぁぁぁ!」
……大佐、まだ任務が残っていた。
なにやら再び問題発生らしい。
「校則ではクラブ活動は5人以上じゃないと駄目だったぁぁ!!」
生徒手帳を瞬時に開くと確かにそう書かれてあった。
……後ろからなにやら視線を感じる。
誰かが、誰かこっちを見ている!!
振り向くと、美女4人が俺の方を見ていた。
その目は入れ入れと言わんばかりの目をしていた。
……本気で考えた。
入る?軽音部に?部活に?……っていうか女ばっかりだぞ?ハーレムだぞ?どっかの救世主がよろこんで入りそうなとこだぞ?
第一、楽器は……引けたな。
……よし。
「……よっしゃ、俺も入る」
美女たちの目が入れ入れと言っていた目からやったぁの目に変わった。
さてと……これから3年間、大変そうだな。
苦笑いを浮かべていた俺だった。

「あ、そうだ。毎日おかし食べれるよな?」
「はい、もちろん」
良かった、少なくとも損はないみたいだな。