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けいおん! LOVE!LOVE!LIVE! 〈1〉

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♯3「バイト!そして楽器!」(前編)




春の暖かさもそろそろ本気を出しすぎて暑くなりそうな頃。俺はいつも通りに学校から帰宅している。
軽音部は相変わらずで、お菓子食べてお茶して雑談して、と言う当たり前のスケジュールをこなしている。
さて、話は変わるが明日は俺と平沢の楽器を軽音部のみんなで買いに行く事になっている。
前回、俺は姉貴にギター代を頂戴し、こっそり新型P●3を買いに行くと言う誘惑に負けず、8万円は机の引き出しにある封筒にきっちりガードされてある。

家に帰り、俺はいつものように鞄をベッドに放り出すと、夕飯の支度を始める。
今日は何がいいか、冷蔵庫を開けながらそう思っていた時だった。
ポケットに入れっぱなしだった携帯に内蔵されているバイブレーションが揺れ、俺の太ももを刺激する。
さらに俺のお気に入りのゲーソンが流れているので電話だ。ポケットに手を入れ、携帯の液晶パネルを確認する。
そこには黒い文字で『姉貴』と書かれていた。
さて、何の用だろう。通話ボタンをポチっと押す。
「はいは~い」
『もしもし遼祐?あのね、今日友達と飲みに行くからご飯いらな~い』
……やれやれ、またいつかのように酔っている姉貴をマンションの下まで迎えに行かなければならないのかもしれないのか。
「はいはい。んじゃごゆっくり」
会話終了のボタンを押し、携帯をポケットへ入れる。
姉貴がいないんなら夕食は適当でいいよな。……オムライスにするか。
……ケチャップと卵ねえし。



「ったくよぉ……、まだなのかよ……」
俺は集合場所でイライラしながら足踏みしている。
「まあまあ、女の子は色々と準備が長いんだよ」
田井中が遅れてきている人物をフォローする。だがいくらなんでも遅すぎだ。
時計を見ると10時15分。すでに15分も遅刻している。
「で、電話してみたらいいんじゃないか?」
と秋山。そうするか。って言うかなんでさっきうろたえた?
ポケットから携帯を取り出し、平沢の電話番号の検索を始めようとすると、
「お、来た来た。唯~、こっちこっち!」
田井中が声を挙げている。どうやら遅刻人の平沢が到着したようだ。
平沢の方を見ると、こっちに向かって手を振っている。そのまま駆けだすと、目の前に歩いている男性とぶつかった。
おいおい、大丈夫かよ。
すると今度はどうだ。目の前に犬を連れて散歩している人に挨拶をするかと思いきや、犬をよしよししはじめたではないか。
後数メートルなのに……、たどり着けない……。
溜息をつく。既に到着している3人を見ると呆れたようなゲンナリしたような顔をしている。まあ仕方ないわな。

「日暮君、お金は大丈夫だった?」
琴吹が俺の所持金の心配をしてきた。
「ああ、姉貴に言って8万ぐらいもらって来た」
「えぇ!?8万円!?」
平沢がびっくりしている。なんか衝撃を与えるような事言ったか俺?
「わたし5万円しか持ってきてないよぉ、足りるかなぁ……?」
まあ大丈夫じゃね?中古とかだったらそれぐらいで足りるんじゃねえかな?
「だといいけど……あ!」
何かを発見した平沢は声を挙げた。
どうしたと聞く前に平沢は丁度左側にある洋服屋の外にある服を眺めていた。
「今なら買える……!」
おい、お前楽器は?
「ちょっと見るだけ……!」
半分誘惑されるように店に入っていく。
俺と田井中と秋山は同時に溜息をついた。
ああ、俺ホントに軽音部なんか入って良かったんだろうか?
まだ宇宙人とか未来人とか超能力者がいる部活に入った方がよかったかもな……。
……それもそれであれだな。

それからはと言うもの、とにかくまあ何をしに来たのか。
服を見終えたかと思うと今度は小物店へ行って、その次はケーキ屋。その次はゲーセンだった。
だがゲーセンだけは行ってよかったと思う。
「あ~!まただ~!!」
田井中が3度目のUFOキャッチャーのチャレンジを失敗する。
しょうがないとばかりに100円を機械に入れ、クレーンを操作する。
「おい、ずれてるぞ」
秋山が心配するが、俺は気にせずクレーンを落とす。
するとどうだ。丁度熊の人形の足を掴み、そのまま宙づり状態になり移動、そのままGETだ。
「す、すご~い!」
「まあ、ざっとこんなもんだ」
平沢が拍手をし、俺は得意げに答える。
「日暮君!あれ取れるかなぁ?」
琴吹が少し大きめのうさぎのぬいぐるみを指さす。
たやすい御用だ。ふたたび小銭を突っ込み、クレーンを移動。そのまま再びGETだ。
「すげ~!」
田井中が拍手する。
それからみんなの注文をすべて受け入れ、すべて成功させた。
今日ほどゲームやっていて嬉しかった事はないだろう。
ありがとう、ゲームよ!
だが、何故か秋山は浮かない顔をしていた。
なんだろう、もしかして……。
俺嫌われてる?

「あ~、疲れた~」
ただいま俺たちは喫茶店で休憩している。
俺は意外と美味しかったチョコパフェを口に放り込みながら、何かを思い出す。
なんだ……?何かを忘れているような気がする……。
「楽器だ、楽器!」
秋山が腕を組んで言う。
ああ、そいやそうだった。完全に忘れてた。

そして俺たちは本来の目的である楽器屋に到着した。
店内に入るとギターや関連商品がところせましと並んでおり、平沢は歓声を挙げていた。
ギターが並んでいるところの下にふと目を通すと、ネックの部分が二つあるギターを発見した。
なんだあれ?まさかカイリ●ー専用ギターか?……はは、まさかな。一人苦笑いした。
「ゆ~い、どれがいいか決めた?」
と、田井中。っていうか俺、アウトオブ眼中かよ。泣けるぜ。
「なんか、選ぶ基準とかあるのかなぁ?」
たくさんならんでいるギターの山を見ながら平沢がつぶやく。
「そりゃあるよ」
秋山が平沢の疑問解決をする。さすが秋山。
「ギターって音色はもちろん、重さやネックの太さとか色々あるんだ。だから女の子はネックが細い方が……」
「あ、このギター可愛い!」
聞いちゃいねえ……。
平沢が明るめの茶色っぽいギターの前に座り込み、しばらくにらめっこする。なんだこいつ、にらめっこが趣味なのか?
俺もその様子を見て、ネックの部分の値札を見る。
「そのギター25万円するぞ」
わぁお、すげえなあ、おい。何回か大企業にハックして売り飛ばさないとないと買えないんじゃね?
って、いつから俺たちはシュミクラム乗りになってんだ。俺は天才ハッカーでも記憶失った傭兵でもないぞ。
「これは流石に手が出ないや……」
平沢が残念そうに声を挙げている。まあ仕方ないわな。
と、同情していると琴吹が平沢の隣に座り込み、
「このギターが欲しいの?」
「……うん」
でも流石にそればっかりは無理だろ。
「ほら、あっちに安いのあるぜ?」
田井中が左側を指さす。たしかに俺や平沢の所持金で買えるものばかりだった。
だが平沢は相当気に入っているらしく、25万円のギターから離れようとしなかった。
「そういえば、私も今のベースが欲しくて……」
思い出話を始める秋山。
「悩んで、悩んで……」
っていうかお前は違う意味で悩んだんじゃないか?田井中から聞いた話では秋山は相当の恥ずかしがり屋らしいからな。
店員にこれ欲しいですっていうのに悩んだんじゃね?