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けいおん! LOVE!LOVE!LIVE! 〈1〉

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「あたしもドラムセットが欲しくて値切って値切って……」
田井中も思い出話を始める。
こいつが店員に「もう一声!」と値切る姿が思い浮かぶ。
「……店員さん泣いてたぞ」
おい、どんな値段で購入したんだ……?
「値切るって?」
おい、琴吹、それぐらい知っとけ……ってこいつお嬢様だったな。まあお嬢様なら値切る事なんかないか。
「欲しいものを手に入れるために、努力と根性でまけさせる事だよ!」
「すごーい、憧れます!」
……憧れる要素がどこにあるんだよ?
って、平沢の事忘れてた。
しかし平沢は依然と25万のギターとにらめっこしている。
絶対そうだ。こいつにらめっこが趣味なんだよきっと。
しばらく黙りこんでいた俺たちだが、突如田井中が声を挙げ、
「よし!みんなでバイトしよう!」
……バイト?マジかよ。
「え~?!そんな悪いよ……」
「ま、いいんじゃね?俺は賛成だな。これも軽音部の活動って事で」
3年間共に過ごすギター選ぶんだ。欲しくないの買っても、楽しく活動できねぇだろ?
そう付け加え、田井中も琴吹も賛成サイドに就き、バイトを始める事になった。
だが秋山はまた浮かない顔をしてる。
……やっぱ俺のせい?

「え?あんた、バイトするの?」
「ああ、軽音部のみんなと一緒に」
夕飯の米を口にかきこむ。
「へえ、バイトねぇ……アンタがねぇ……」
なんだよ、文句あんのかよ。
「別に、ま、他のみんなを困らせないようにね。みんな女の子なんだから」
「心配すんな。任せろ。……ってなんで俺がハーレム状態だって知ってんだよ!?」
マジで驚いた。こいつ俺の事ストーカーしてんのか?
「しないわよアンタなんか。……まあ色々とね」
色々ってなんだよ。
「いいのよ、じゃ、がんばってね」
なんか腑に落ちないなあ……。
「そいやあんた……」
ん?どうかした?
「自分のギターは?」
……平沢のギターの事で完全に忘れてた。


「なんのバイトがいいかなぁ?」
部室でさっそくバイト探しだ。
と言うか俺が入って初めてお茶と雑談以外の事をした気がする。
「ティッシュを配るのは?」
田井中が提案するが、秋山が「無理……」と呟く。却下だな。
「ファーストフードはどうですか?」
琴吹が提案するがまたも秋山が「だめかも……」と呟く。また却下。
「ああそっか。澪にはハードル高いかもね」
どんだけ秋山恥ずかしがり屋なんだよ。って言うか入試の面接よく受かったな。
「怖い人が出るかと思うとインターホンが押せない……」
まあそりゃ分かるかもな。でも見た感じの家によるだろ。どんな家想像してんだよ。バイオハ●ードの洋館でも想像したのか?
ありゃ怖いわな。違う意味で。
「オーダーが聞けない……、はうぅ!!」
秋山の頭のてっぺんからボンと何かが飛び出し、気絶しかける。
やれやれ、こんなんじゃあなにも出来ないぞ?
求人雑誌のページをぺらぺらとめくる。
すると、結構いいバイトが見つかった。
「え?どんなのだ?」
「交通と渋滞の調査だ。これなら人に話したりすることもないし、座ってるだけだし。これなら出来るだろ、秋山?」
「え、う、うん……」
やはり俺が話しかけるとなにかテンションが下がる。やっぱ嫌われてるのか……?何か嫌われるようなことしたか俺?

さて、時はぶっ飛びバイト当日。
田井中から色々と説明を聞かされ、カウンターをもらう。
二人ずつ、一時間で交代だそうだ。
「あ、俺は別に交代しなくてもいいぞ?」
「でもそしたら日暮、死ぬぞ?」
死ぬか。別にそんな暑いわけでもないし、帽子もあるし。
結局、俺は固定で、4人が順番に交代することになった。
こうすれば秋山と二人きりで話できるしな。
だってそうだろ、三年間一緒に活動する仲間なんだ、嫌われたまま終わるのはやだぜ?

最初は平沢だった。
まあついでにみんなと交流を深めるのも悪くないだろう。
「ねえねえりょうくん」
「どした?」
「あのね、……その」
平沢の顔がうつむいている。
普段は言いたい事ははっきりと言う(っていうか言い過ぎ)奴なのでこのような行動は非常に珍しい事だった。
まさか……、

『あのね、わたし……りょうくんの事が好きです!』
『そうか……じゃあお前の気持ちに応えないとな。俺も、お前の事が好きだ』
『りょうくん……』
『平沢……』

むふ。むふふふふ……、
って何考えてんだ俺ッ!
やばいな、ちょっとギャルゲーやエロゲーはしばらく控えておくか。最近エロ妄想が激しいな。
あ、バルド●カイは別な。ありゃアクションゲームだから。
「あのね、わたしの事、唯って呼んでいいよ。なんだか言いにくそうだし」
「いや、別に言いにくくはないんだが……」
せいぜい作者が平沢ってわざわざ書くのがめんどうなぐらいだし。
まあその方が作者の為にもなるか。
……ってなんでそんな心配するんだ。
「まあ、いいけど……んじゃひら……、ゆ、唯?」
「うんうん」
これでちょっとは深くなったかな?

続いては田井中だった。
「なあ、日暮」
「あんだ?」
なんだこの唯とは違う反応の仕方は。
まあ仕方ないか。こいつ男勝りな性格してるし。
「さっき唯の事、名前で呼んでたよな?」
「ああ、あいつが呼べって言ったからな。……どうした、お前も律って呼んでほしいのか?」
「え、なんで分かったんだ?」
……そういう時はもうちょっと別の反応をしてほしかった。例えば……。

『え、べ、別に……ま、呼びたきゃ呼べばいいけどよ……』

ツンデレっぽく。
「まあ3年間一緒に過ごすんだからな。いつまでもそれじゃ色々とあれだろ?」
「そうだな。んじゃ律、これからもよろしく」
「了解」

次は琴吹だ。いっそのことこいつも名前で呼ぼう。
と、何かきっかけを考えているとなんと向こうから呼べと言って来た。
……って作者。なんかだんだん適当になってるぞ。ちゃんと会話部分かけ。ムギファンに怒られるぞ。
「えっと、日暮君?」
「ほいほい、なんだ?」
よろしい。この調子で頑張れ作者。
「えっと、日暮君の事、名前で呼んでいいかしら?」
「おう、いいぞ。んじゃこっちも呼んでいいか?」
「はい。じゃあよろしくお願いします、遼祐君」
「よろしくな、紬」
え?なんでムギって呼ばないのか?
みんながみんなムギって呼ぶのはあれだろ。しかも色んなオリ主小説でも大抵はムギって主人公が呼んでるんだ。
俺ぐらい紬でいいだろ?……うん。

さて、いよいよ目的の秋山が来た。
俺の隣の椅子に座ると、そのまま黙ったままだ。
……俺も話をかけたいが何故かこいつだけは中々話しかけられない。
なんかこう……話しかけないでオーラが全開なんだよこいつ。
「あ、あのさあ……」
「あ、う、うん……」
やばい、この先なんにも考えてないぞ。どうするよ俺……?
……しょうがない、こうなったら真っ向勝負だ。自爆したらしたらで知るかボケ。
「お前、もしかして俺の事嫌い……?」
「え、あ、えっと……その……」
あ~、やっぱりか。
……なんかショックだなぁ……、秋山結構可愛かったからなぁ……。
「その、別に……嫌ってるわけじゃないんだ」
……神よ、まだ俺を見捨ててなかったか。
「んじゃ、なんなんだ?」