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けいおん! LOVE!LOVE!LIVE! 〈1〉

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「その……男の子とはあんまり話した事なくて……だから……」
そういう事だったのか。
一度深呼吸し、俺は話を続けることにした。
「分かった。じゃあ嫌いってわけじゃないんだよな?」
「う、うん……」
「じゃあ分かった。俺を女の子と思え。そうすれば話しやすいだろ?」
……自分でもこれはかなりおかしいと思った。
そんな事無理に決まってんだろうに……。
「……ぷっ」
へ?
「ぷっ……ふふふふ……あははははは!!」
突然秋山が爆笑し始めたので俺はかなり驚いた。
やばい、ついに頭がおかしくなったか?
「そうじゃない……ふふふ、日暮が女の子だと思うと……おかしくて……あはははは!」
……なんか、どういえばいいんだろう。
成功したの……かな?
「分かった……じゃあひぐ……、遼祐の事は、女の子だと思って話す」
「いや、自分で言いだしといてあれだが……、それは勘弁してくれ」
「冗談だよ。でも、これからは、私も遼祐とは仲良くする」
成功したな。完全に。
……ん?遼祐?名前で呼んだよなこいつ……、あ、そうだ。
俺の心の悪戯心が何やら変な事をおもいついた。
「ああ、分かった。改めてよろしくな……澪?」
秋山の顔がみるみる内に赤くなっていく。いきなり名前で呼ばれたのでびっくりしたのだろう。
「お前が名前で呼んだからな。俺も名前で呼ばしてもらうぞ?」
「……うん」
これで全部解決だな。さて、バイト頑張りますか。
「あ、車数えてねえや。まあ適当にカウンター回しとくか」
「おい」

平沢唯……称号:アホな子。
秋山澪……称号:極度の恥ずかしがり屋。
田井中律…称号:元気が取り柄。
琴吹紬……称号:おっとりお嬢様。
こんな個性豊かな女の子たちと毎日過ごせると言うとあなたはどうする?
いいだろうねえ。この中から好きな子見つけて、付き合って、結婚して、子供作って、幸せだろうなぁ。
……とまあこんな厨ニ病的発言はさておき、ただいまバイトの昼休憩中だ。
唯の妹が作った弁当と、紬が持ってきたお茶とお菓子をいただき、大満足だった。
ただいま俺はサンドイッチを口にしながら雲が丁度いいくらいにある青空を眺めていた。
綺麗だなあ。って言うか天気いいなあ。こんな日に外で食べる昼食はやっぱり最高だわ、うん。
「って言うか紬、こんな高そうなお菓子毎日にもらってるけどいいのか?」
モンブランを口にしながら、紬に言う。
確かにまったくその通りだ。ホント高そうなお菓子を毎日毎日食べさせてもらっているわけで、流石にこんなにもらうと少し遠慮してしまう。
だが、紬は笑顔で、
「いいのよ、いつも色んな方から頂くんだけど、家に置いておいても、余らせてしまうから」
と言う。っていうかこんなのいつももらえるってホント凄いんだな紬ん家。
ふと俺は寝っ転がって雲を眺めながら指を動かしている澪と律を見る。
おいおい、まさか雲の数を数えてるんじゃないだろうな?職業病になりかけてるぞお前ら……。

とこんな感じで1日目が終了した。なんか色々と疲れたがみんなとも仲良くなれたし、良かったよ。
俺たちはバス停付近で解散することになった。
「じゃあ私は駅へ行くから」
「あたしと澪はバス」
んじゃ、俺と唯は歩きか。
「じゃあ、明日も……「お菓子よろしく!」……頑張りましょうって言おうとしたんだけど……」
紬が苦笑いする。俺もだ。
とか言いながらも、俺たちは解散となった。
唯と俺は帰る道が途中まで一緒なので、共に帰る事にした。
その時、俺と唯が一緒に歩き出すと、途中で回れ右をして、
「みんなー!」
3人が唯の方を向く。俺は隣にいるので、最初から向いている。
「本当にありがとうね!わたし……ギター買ったら毎日練習するからー!」
その時だった。唯の横顔と夕日が丁度いいぐらいにミックスされ、とんでもない極上美人に見えた。
しばらく見惚れいると、どうやら唯が俺の視線に気づいたらしく、
「どうしたのりょうくん?」
「え、あ、えっと、なんでもない……」
「顔赤いよ?」
「な、何言ってんだ!夕日のせいだよ!さっさと帰るぞ!」
俺は恥ずかしくなって、駈け出して行った。唯も後を追いかけてきた。
そしていつのまにか俺たちは競走を始めていた。

次の日もしっかり働いた。もちろんお菓子とお茶も弁当も腹いっぱい食べた。

「一日8千円で2日働いて1万6千円……それが5人で8万円で唯の所持金が5万円、合わすと13万……まだまだかぁ……」
みんながもらった給料を唯に渡し、その間に俺は計算するが、やはり足りない。
まあこつこつバイトするしかねえよな。と俺が言った時だった。
「みんなやっぱりいいよ」
……はい?
「バイト代はみんな自分の為に使って」
と言いながらバイト代をみんなに返す。
「やっぱり自分のお金で買えるギター買うよ。早くみんなと練習したいし」
なんて言えばいいんだろうなあ。こいつって優しいのは優しいんだろうけどさ、なんかこう……言葉にしにくいな。
結局みんな唯のさっきの言葉に納得し、何も言わなかった。俺は返してもらった封筒を眺めながら、もやもやした気持ちを無理やり味わい続けれられた。
まあ、唯もみんなも納得してるんだから、それでいいか。もやもやをデリートし、俺は家路についた。

そして次の日。
学校の帰りに楽器店へ向かい、唯のギターを探す。……あ、俺のもだった。
ギターの棚を見ると25万円ギターは今も置かれていた。
みんながそこを通り過ぎていくと、唯は一人立ち止まり、ギターを眺める。
俺がその姿を見ていると、唯が「えへへ…」とごまかす。
「なんだかんだ言ってやっぱ欲しいんだな、ギター」
「よっしゃ、も一回バイトを……」
律がバイトを再び提案しようとした時だった。
「あ、ちょっと待ってて」
紬がその言葉を止め、もじゃもじゃ頭の店員がいるレジへ向かう。
あ~……もしかして……。なんか紬が今からやろうとしている事が分かった気がする。
それから紬は笑顔で店員に話しかけた。しばらくすると店員がかなりあわてた様子を見せ、電卓を指で叩いた後、紬に電卓を見せる。
「もう一声~」と言っているのが聞こえたので、間違いない。奴は値切っている。25万のギターを。
だが25万のギターを5万や13万に抑えるのは流石に無理だろうと思ったのだが、その思いは一瞬で打ち破られる。
「このギター、5万円で売ってくれるって」
……マジでやりやがったこいつ……。
って言うか一体どんな手を使ったんだよ。脅迫か?
「実はこのお店、うちの会社の系列で……」
ああ、なら理解できるわ。
苦笑をこぼしながら、店員を横目で見ると、なにやら涙目でこちらを見ている。
そりゃそうだよな。25万を5万に下げられて20万も損したんだもんな。
正直俺ら下手するとブラックリストに入るんじゃね?と思ったが、紬がいるかぎり安心だろうと、心の片隅で思った。
「あ、そいや遼祐のギターは?」
そういやそうだ。完全に忘れてるよ俺。
ギターが並んでいる棚を眺めている。
色々とあるが何か俺の心を射抜くようなギターが見つからない。
上から下へ見ていくと、中段ぐらいにある一つのギターを見る。
それは赤と黒で色付けされているギターで、それで……。