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機動戦士ガンダムRS 第3話 崩壊の大地

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 少しの沈黙の後カズイがそういった。
「何が言いたいんだ、カズイ」
 床に座ってるサイは、カズイが言おうとしてることがわからなかった。
「別に。
ただキラには、『あんなこと』も『大変だった』で済んじゃうのかと思ってさ。
キラはOSを書き換えたって言ってたでしょ、あれの。
それっていつさ」
 カズイは、サイを見てそう聞いた。
「いつって」
 サイは、カズイの質問の意味が解らなかった。
「キラは、あれのOSの開発をを間接的に手伝わされたとはいえ全てを知っていたとは思えない。
じゃああいつは、いつOSを書き換えたんだよ」
 カズイは、今度はキラを見て言った。
その質問に誰も答えられなかった。
しばし沈黙が彼らを支配した。
「キラがスーパーコーディネイターだってことは、知ってたけどやっぱり俺たちみたいな普通のコーディネイターと違うんだな」
 カズイの言葉に改めて皆は、キラと自分たちは違うと再認識された。

             ※

 アークエンジェルのブリッジでは、ラミアス艦長がコロニー内の状況を無線で聞いた。
「コロニー内の避難は、ほぼ100パーセント完了しているということだけど今ので警報レベルは9にあがったそうよ」
 言い終わるとラミアス艦長は、艦長席から立ち上がった。
警報レベルは、10段階ありこの9という段階は「コロニー内に戻るには、危険すぎる」という判断でありコロニー整備会社が修理するまでシェルターから外に出られない状態である。
「シェルターは、完全にロックされたということか。
そうなるとあのガキどもは、どうする?
もうどっか探して放り込むわけにもいかないじゃの」
 フラガ大尉は、キラたちをシェルターに入れようと考えていた。
「あの子達は、軍の最高機密を見てしまったためミゲル中尉が拘束されたのです。
このまま解放するわけにも」
 バジルール少尉は、あくまでキラたちの解放は無いと考えていた。
「じゃあこのまま付き合ってもらうのか?
出てけばド派手な戦闘になるぞ」
 フラガ大尉がしかめっ面でバジルール少尉に言った。
ラミアス艦長がバジルール少尉の隣に歩いた。
「ストライクの力も必要になると思います。
正直『G』4機だけでは、脱出は不可能だと思いますから」
 ラミアス艦長が不安げに言った。
「『G』をまた実戦に使うのですが?」
 バジルール少尉が驚いた。
「それ以外に方法があるとでも」
 ラミアス艦長がバジルール少尉に問い詰める。
「あの坊主が了解すかね」
 フラガ大尉とラミアス艦長の1番の不安は、そこだった。
「今度は、フラガ大尉かクルーゼ中佐が乗られればよいかと」
「おい、無茶言うなよ。
あんな物が俺に扱えるわけ無いだろ」
「私も同じ回答だ」
 バジルール少尉の提案をフラガ大尉とクルーゼ中佐が却下した。
「え?」
 バジルール少尉は、驚きを隠せなかった。
「あの坊主が書き換えたって言うOSのデータを見てないのか?
あれは、普通のコーディネイターに扱えるわけ無いだろ」
 それほどスーパーコーディネイターであるキラ・ヤマトが書き換えたOSは、ピーキーなものであった。
「なら元に戻させてとにかく民間人に大事な機体を任せられるわけありません」
 バジルール少尉は、きっぱりとキラに頼るべきでないと言った。
「それでのろのろ出て行って的になれと?」
 クルーゼ中佐の質問にバジルール少尉は、答えられなかった。
結論は、キラをストライクガンダムに乗せることだった。

           ※

 ドゴス・ギアでは、マン・マシーンの発進準備が行われていた。
パイロットたちは、コックピット内に入るとまず『AIR漏れ』が無いか確かめた。
その中でも入念にサオトメは、『AIR漏れ』が無いか確かめた。
ノーマルスーツを着たパイロットたちにとってみればたとえ空気が漏れていてもノーマルスーツが機密になりさらに多少の空気ボンベも内蔵されているため酸素が多少漏れても問題ない。
しかしノーマルスーツを着ていないサオトメには、それは命取りであった。
ノーマルスーツを着れば済む話だがサオトメは、自身の技量に絶対の自信を持っておりこれまでノーマルスーツを着用したことが無い。
「マン・マシーン各機、異常なし。
これよりエアロックを開放する。
メカニックマンは、退避急げ」
 その放送に整備員が皆退避室に駆け込んだ。
そして全員の退避が確認されるとマン・マシーンデッキのエアロックが解除された。
空気が抜けきるとマン・マシーンや母艦の駆動音や外のアラーム音が聞こえなくなった。
「良いか?
お前たちは、アーガマもどきをやれ。
俺がガンダムと残存戦力のジンをやる。
ガンダムが襲ってきたら格闘戦で追っ払え
無理は、するな」
 サオトメは、発進前のプレ・フライトチェックをこなしながらガンダムサイガーの通信を開いて部下に命令した。
「了解」
 通信から部下たちの返事が聞こえた。
「サオトメ小隊は、カタパルトへ。
なおサオトメ少佐は第1カタパルトへ、シグマン大尉は第2カタパルトへ、サウス中尉は第3カタパルトへ、ジャック少尉は第4カタパルトへ」
 マーネリー軍曹の命令に4機は、ハンガーに固定されたままそれぞれのカタパルトへ移動された。
これは、カタパルトへ移動しなければならないパイロットの負担を和らげる処置で高性能艦に採用されている。
このドゴス・ギアは、8基ものマン・マシーンカタパルトがあり2個小隊ずつマン・マシーンを発進させることが可能である。
 この間パイロットたちは、レーザー発信の作動の確実を確認していた。
母艦に自機の位置を伝えブリッジからの統合管制をサポートするレーザー発信は、ミノフスキー粒子とニュートロンジャマーに影響を受けない唯一の命綱である。
これがないと広大な宇宙で迷子になり死ぬまで漂流したり味方の弾に当たって死ぬことにもなりかねない。
だからレーザー発信の作動の確認は、カタパルトへの移動中と発信後の2回も行うように教えられている。
 サオトメは、ガンダムサイガーをハンガーから外したがその直後足をカタパルトが固定した。
「ガンダムサイガー、カタパルト装着。
発進準備よし」
 マーネリー軍曹の言葉でサオトメは、やっとしっかり操縦桿を握った。
ここまでは、全てオート・パイロット機能で勝手にやっているためパイロットがやるべきことは何も無い。
だから発信前のプレ・フライトチェックをこなしオペレーターからの指示をもらさず聞けばいいのだ。
「サオトメ・アツシ、ガンダムサイガー出る」
 発信口の脇にあるカウントダウン表示が0を指しリニア駆動のカタパルトが弾かれたように動き出した。
瞬間サオトメの体には、5Gにも達する加重がのしかかった。
ドゴス・ギアの右前足部分の第1カタパルトをガンダムサイガーが滑りカタパルトが終点に到達すると同時にその脚が蹴り出されガンダムサイガーは、虚空に飛んだ。
その後をユーピテルも追従し各機ともレーザー発信の作動の確実を確認しシュヴァルム編隊を組んだ。
 マン・マシーンの編隊は、シュヴァルム戦法を採用していた。