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SAO二次元創作【魔女と呼ばれた処刑者】1-1

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わたしはストレージ内のアイテムと、エリアのアイテムを見比べ、店売りの高い品物や転移結晶等を集中的にストレージ内へと格納した。これで宿屋での生活も終わる…。

「ふふ…小さなキッチンもつけてやらんとな…」

わたしはそう思いを巡らせ、手持ちのお金とアイテムストレージの金額を足し、ホームの金額に届いた事を確認するなり、腰のポーチから、これまたタクトお手製のハイポーションを飲んだ。わたし好みのレモネードのような味わいで体力が回復と共に精神疲労も回復させると、タクトが待っているだろう安全エリアを目指した。


そんな私の耳に、聞き慣れた少年の悲痛な悲鳴が響いたのは直後の出来事だった。


「タクト!?…」

驚いたわたしは、俊敏値が許す限り以上の速度で、安全エリアに向かい走った。

「タクトオオ!!」


安全エリアへとたどり着いたわたしが見たのは…。


「せ!…先生!!」

鮮やかなオレンジ色のカーソルに身をやつした四人ものプレイヤーに囲まれたタクトが、此方に気付いて振り向くなり、ハゲ頭の男に背中を切り裂かれる姿だった…。

「………たく…」


私の左上にあるタクトの体力ゲージが…消え、よろけたタクトをわたしは胸に抱き止めようとした。


【バキイイン!!】

しかし、タクトの小さい身体は、わたしの身体に触れる間もなく硝子細工の様に砕け散り…消え去った。


「うひょお!!レベルにしてはいい防具着てたじゃんラッキー!!!」

そんなわたしの耳に、タクトを切り捨てたハゲの下品な笑いが響き、四人の獲物を求める餓えた獣のような瞳が同時にわたしを見る。

「おい!今度は女だぜ!?」

ハゲの横にいたパーマの男が、汚らしい目付きで私を見た。

「へえ…久し振りに楽しめそうだ…」

そして四人は汚らしい目付きを明確な殺意に変え、思い思いの武器を構え、そしてライトエフェクトに身をやつす。


「タクトを…何処にやった?」

気付いた時、わたしはそう四人に聞いていた…。

「はあ?タクト?…さっき殺したガキの事かな?…死んだよ、残念だったな!ひゃはははっ…はっ」

男の嫌味な笑いは、…途端に恐怖に震えた。何故なら私が槍を構え…その顔面に回転させた矛先を光の速度で打ち込み、貫き…そして上半身が消し飛ぶ程の威力でぶっ飛ばしたからだ。


先頭の男が死んだ事に、その場にいた残り三人は笑顔を止め、明確な恐怖で顔を引きつらせた。

「貴様等…殺す!!殺す!!!殺す!!!誰一人とて生かして帰さあああん!!!!!」


わたしは獣のように吼え、手近にいた男の首を槍の持ち手で突き、怯んだ直後に限界まで上げられた体術スキルにより繰り出される蹴りで木陰を蹴り上げ、姿勢を崩したその身体に至近距離からの槍スキル8段連続重攻撃【ジェットストリーム】を放って消し飛ばす。技の発動の硬直に身体を蝕まれながらも、恐怖に脅えて動けない残り二人に眼光を向ける。


「ひ!ま!!まてまて!!マジになんなって!!だいたいまじで死んだわけじゃ…」

命乞いを喋りだした男が最後まで話し終えることは出来なかった。何故ならば、わたしはそいつの口の中に槍を押し込み、脳髄を貫き抉ったからだ。

「ご!!ごぼお!?」

「そうか、なら死ね…」

わたしは男の身体を引き寄せ、くぐもった断末魔を挙げるその耳元に冷たい言葉を打ち付け、そのまま身体を串刺しに貫けば、男の身体は硝子のように爆散する。

「…お前…ま…まさか…こ…攻略組!?…なんでこんな…」

最後の1人はタクトを殺したハゲだった、腰を抜かしていたハゲは、恐らく仲間の三人が一撃の元に死んだ事を驚いているのだろう…それはそうだ、わたしのレベルは攻略組と呼ばれる連中に限りなく近いのだから。


「お前…タクトに止めをさした奴だったな?」


「ひ!?」


わたしが歩み出ると、男は後退りして引き下がり、背を向け走りだそうとする。だが…わたしはそれを見るなり、ハゲの右足に突きを放った。

「ぎ!!ぎゃはあああ!!」

右足はふくらはぎから綺麗に消し飛び、男のゲージが一気に赤に染まる、今ごろ部位欠損という状態異常カーソルが出ているだろう…。

「ひ…ひ…誰か…誰か助けて…誰かっ」

今更ながら助けを求める男、それを見た私は残忍な笑みを浮かべ男の左足を掴み、引き摺っていく。

「ひ!!ひいい!!」

喚き暴れる男、しかしわたしの筋力パラメーターには抗う事が出来ないようだ。


「て!てめえ!?どうする気だ!?こんな事して!ただで済むと思ってんのか!!?」

そんな言葉を喚いたので、わたしは生気の無い瞳を男へ向ける。

「なんだ?まだ仲間がいるのか?…」


わたしの言葉に男は息を詰まらせ黙り込む。この時のわたしは、タクトを失ったばかりの喪失感で何も考えてはいなかった…先程仕留めた三人のレッドプレイヤー達の事すら記憶から消しさっていたのだ…。


「…罪人を処刑場に連れていくのさ…一撃で殺してやるってもいいが…それではわたしの怒りは治まらない」


わたしは今一度男を見てニイッと笑った…その時、ハゲはわたしが何をしようとしているのか分からなかったようだが私が隠し扉の前に立った瞬間…明確な確信を得たようだった。

「ふ!!ふざけんな!!そんな!!そんな事をしたらてめえも無事じゃあ!!…」

そう、そこはトラップルーム…わたしはアイテムストレージから投剣を取出し見せる…。

「この武器には攻撃力は設定されていない…が、アイテムボックスに投げると、開ける事が出来る便利なアイテムだ…トレジャーボックスも例外ではない…ただ…」

わたしは不気味に笑い、明確な殺意を確信するなり身体を震わせた。

「トレジャーボックスに当てた場合、確実にトラップを鳴らしてしまうデメリット効果があるのさ」


つまり、トラップルームに入る事無く、トラップを発動出来る…と、そこまで言うまでもなく男は恐怖に身を震わせた。

「ひ!!ひい!!?…まっ!まて!!待ってくれ!!頼む!!止めてくれ!!殺さないでくれえっ!!!」

白々しく、今更ながらの命乞いだった…わたしは激しい怒りの炎が燃え盛る感覚に身を震わせ、男の顔面を踏みつける。


「助けを求めなかったタクトを見習え!!!そして!!処刑を受け入れろ!!!…」

わたしは中に男を放り込み、投剣を構える。

「お願いだ!!頼む!!許してくれ!!!…」

ハゲ男は、そう涙ながらに叫んできた…。こうなってはオレンジとは言えど、ただの人間でしかない。わたしは大きなため息を吐き出し、そして慈愛の女神のように笑顔を向けた。


「タクトの武器、防具、持ち物…全て差し出せ…」


わたしの言葉に、男は迷うことなく、タクトの鎧や武器を私の交換欄に入れてきた。


「………」

わたしは本当に解放してやってもいいと考えていた…だが、生々しくタクトの遺品を見た直後…わたしは怒りでどうにか為りそうだった。

「こ…これで助けてくれるんだよな?」


男は一つの希望を見いだしたかのような光を瞳に宿らせ聞いてきた…わたしは直後に残忍に笑った。

「ああ…このアインクラッドから命を解放してやる…」