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機動戦士ガンダムRS 第4話 サイレントラン

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 ラミアス艦長は、無事アルテミスに入港できても補給できるかが問題だった。
「アークエンジェルと『G』がわが大西洋連邦の極秘機密であることは、無論私とて承知しています。
しかしこの先途中戦闘も無くすんなり月へいけるとは、まさかお思いではありますまい」
 バジルール副艦長の説明とともにモニターには、いくつかの月への予想航路が出たがどれも遠い。
その中でアルテミスへの航路が1番近くそれが赤く変わった。
「物資の搬入もままならず発進したわれわれには、早急に補給が必要です」
 バジルール副艦長は、アークエンジェルが物資不足だと指摘した。
「分かっているわ」
 ラミアス艦長もそのことは、分かっていた。
「事態は、ユーラシアにも分かってもらえるものと思います。
現状は、なるべく戦闘を避けアルテミスに入って補給を受ける。
そこで月本部と連絡をはかるのが今最も現実的な策かと」
 バジル-ル副艦長が最善と思われる予定を言った。
「それは、どうかな?」
 それまで黙っていたクルーゼ中佐が突然しゃべった。
「ユーラシア連邦は、これまで一度も実用的な兵器を開発できず地球連合内部で大西洋連邦に頭が上がらない状況だ。
そんな状況でこんな艦と『G』が入ってくれば向こうは、万々歳だ。
詳細な情報をユーラシア本部に送り今度こそと新型モビルスーツを開発するだろう。
戦後での地球軍内での発言力を高めるためにな」
 クルーゼ中佐が言い終わるとフラガ大尉も納得した。
「では、中佐はどのような策が最善だとお思いなりますか?」
 たまらずバジルール副艦長が質問した。
「私も少尉と同じ策が最善だと思う。
ただ裏では、そういうことがあると言っただけだ。
最悪補給も受けられず終戦をアルテミス内で迎えることも考えなくては、ならないぞ」
 クルーゼ中佐の忠告にブリッジの皆がどんよりとしてしまった。

            ※

 キラは、モビルスーツデッキでストライクガンダムのコックピットから出ようとしていた。
外では、救命艇から避難民を出す作業が行われていた。
その中にフレイの姿があった。
キラがフレイに気づくと懐にいたトリィがフレイの方向にとんだ。
キラは、それを追った。
 フレイは、トリィの存在に気づき飛んできた方向を見た。
そしてキラを見つけた。
「あなたは、サイの友達の」
 フレイは、キラの方向にとんだ。
「フレイ?」
 キラは、無重力空間で何とか姿勢を正した。
するとフレイは、キラに抱きついた。
「本当にフレイ?
フレイ・アルスター?
このポッドに乗っていたなんて」
 キラとフレイは、そんな関係ではないため抱きつかれる覚えが無かった。
そのため目の前の女性がフレイ・アルスターだとは、思えなかった。
「ねえどうしたの、ヘリオポリス。
どうしちゃったの?
いったい何があったの?」
 その質問攻めにキラは、どこから答えていいものか分からなかった。
「私、私、フローラスのお店でジェシカとミーシャとはぐれて1人でシェルターに逃げてそしたら」
 彼女は、そこまで言ってうつむいた。
キラは、そこまで言って何があったのか大体予想できた。
「これは、コロニー軍の船でしょ。
私たちどうなるの?
何であなたは、こんなところにいるの?」
「これは、地球軍の船だよ」
 キラの回答にフレイは、ひどく驚いた。
「ウソ。
だってこれは、コロニー軍のガンダムサイガーでしょ」
 2人は、ストライクガンダムを見た。
「いや、あれもガンダムサイガーに似てるけど地球軍のモビルスーツなんだよ」
 フレイには、地球軍のガンダムとコロニー軍のガンダムの区別ができなかった。
「でもよかった。
ここには、サイもミリアリアもいるんだ。
もう大丈夫だから」
 キラは、1刻も早くフレイを安心させてやりたかった。

         ※

 帰艦したサオトメは、ドゴス・ギアのブリッジに上がっていた。
「こんな事態になるとはな。
これから先どうする?」
 ブライアン艦長は、サオトメに質問した。
「アーガマもどきを追うさ。
位置を掴めるか?」
 サオトメは、即答しハリダ軍曹に質問した。
「いえ、この状況では」
 索敵士のステファニー・ハリダ軍曹は、デブリが漂う状況では敵の特定が不可能だと答えた。
サオトメは、モニターの前に立った。
「宙域図を出してくれ。
ロンバルディアとアレキサンドリアにも索敵範囲を広げるように打電しろ」
 サオトメは、既に敵がどこへ向かうか大体の見当がついていた。

          ※

 アークエンジェルでは、キラが皆が集まっている食堂にフレイを案内した。
食堂に着いて皆がフレイを見ると皆は、驚いた。
フレイがサイを認識するとサイに抱きついた。
キラは、少しうらやましくその光景を見ていた。

          ※

「デコイ発射用意。
発射と同時にアルテミスへの航路修正のためメインエンジンの噴射を行う。
以後は、艦が発見されるのを防ぐため慣性航行に移行。
第二戦闘配備。
艦の制御は、最短時間内に止めよ」
 アークエンジェルのブリッジでは、ラミアス艦長が次々命令を出した。
「アルテミスへのサイレントランか。
およそ2時間ってとこか。
後は、運だな」
 フラガ大尉は、この先は神頼みしかないと感じていた。

          ※

「やつらは、既にヘリオポリスの崩壊にまぎれて既にこの宙域を脱出したんじゃないのか?」
 ドゴス・ギアのブリッジでは、ブライアン艦長も宙域地図を見てサオトメに質問した。
「いや、それはありません。
どこかでじっと息を殺してどこかに隠れています」
 サオトメの回答には、確信に近いものがあった。
「網をはるか」
「網?」
 ブライアン艦長は、サオトメが言っている言葉の意味がわからなかった。

          ※

「3番、デコイ発射」
 バジルール副艦長の命令でアークエンジェルの艦尾大型ミサイル3番発射管からデコイが月方面に向けて発射された。

          ※

「ロンバルティアは、先行しアルテミス前で敵艦を待つ。
ドゴス・ギアとアレキサンドリアは、軌道面交差のコースを索敵を密にしながら追尾させる」
 サオトメは、ブライアン艦長に作戦を説明した。
しかしそれは、敵がアルテミスへ向かったという前提が成り立ってはじめて成立するものだった。
「アルテミスへか?
しかしそれだと月方向に離脱された場合追撃できなくなる」
 ブライアン艦長が敵が月方面に離脱した場合を懸念した。
「大型の熱量感知。
緒元解析予想コースは、地球スイングバイにて月面の地球軍大西洋連邦本部」
 ハリダ軍曹は、アーガマもどきを発見したと報告した。

          ※

「メインエンジン噴射。
アルテミスへの航路修正」
 ラミアス艦長の命令でアークエンジェルは、アルテミスへ向けて航路を修正した。

          ※

 その際発生した衝撃にキラたちは、戸惑いが起きた。

          ※

「サオトメ」
 ブライアン艦長がサオトメに意見を求めた。
「それは、囮だな」
 サオトメは、力強く答えた。
「一応R型で詳細索敵を行ったほうがいいんじゃないのか?」