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機動戦士ガンダムRS 第4話 サイレントラン

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 ブライアン艦長は、サオトメに忠告した。
「いや、やつらはアルテミスに行きます。
今ので私は、また1つ確証を得られました。
η艦隊、発進。
グラハム艦長とマックス艦長を呼び出せ」
 サオトメは、通信士のイワン・ベイト軍曹に命令した。

           ※

 アークエンジェルでは、手の空いているものが助け出した救命ポッドから出た避難民の身元チェックが行われていた。
「お医者様ですか?」
「そうです」
 その中に医者がいた。
「先の襲撃の生存者の中に負傷者がいるんです。
後で診ていただけませんか?」
 先のコロニー軍の襲撃の際負傷したものも艦に乗せたが人手不足で全てを診て回れる余裕は、なかった。

           ※

 キラたちは、寝室に移っていた。
「どこに行くのかな、この船」
 カズイが不安そうに言った。
「一度針路変えたよね。
まだコロニー軍がいるのかな?」
 サイは、アークエンジェルが進路を変えた理由をコロニー軍がまだいるからと考えた。
「この艦とあのモビルスーツを撃墜したいんだろ。
ならまだ追っている可能性のほうが高いな」
 トールが状況分析を行った。
「え?
じゃあ何?
これに乗っている方が危ないってことじゃない。
やだ、ちょっと」
 フレイは、事態を飲み込めてなかったため驚いた。
キラは、そんなフレイの言葉に少し傷ついた。
「壊れた救命ポッドの方がましだった?」
 ミリアリアがキラを気遣った。
「そ、そうじゃないけど」
 フレイは、サイに寄りかかりながら答えた。
フレイとて壊れた救命ポッドにずっといたかったわけでは、ないが答えがうまく出なかった。
「親父たちも無事だよな?」
 カズイが責任を感じて話題を変えた。
「避難命令は、全土に出てたし大丈夫だよ」
 サイがカズイの質問に答え励ました。
「キラ・ヤマト」
 そのときフラガ大尉がやってきた。
「はい」
 キラは、フラガ大尉に呼ばれて答えた。
「マードック軍曹が怒ってるぞ。
人手が足りないんだ。
『自分の機体ぐらい自分で整備しろ』と」
 フラガ大尉がマードック軍曹の物真似を行いながら言った。
「僕の機体?
ちょっと待ってください。
僕の機体ってどういうことですか?」
 キラは、たまらずフラガ大尉に質問した。
「今は、そういうことになっているってことだよ。
実際ストライクのOSを書き換えてしまった以上ストライクを動かせるのは、君だけなんだから仕方ないだろ」
 現実問題ストライクガンダムは、OSを書き換えたためカタログスペック以上の性能を引き出せるがそれを扱えられるのはキラだけだった。
OSを元に戻すことは、フラガ大尉たちは考えてなかった。
「そりゃ仕方ないと思って二度目も乗りましたよ。
でも僕は、軍人でもなんでもないんですから」
 キラは、もう二度とストライクガンダムには乗らないと固く決意していた。
それをフラガ大尉は、おでこに指を乗せながら聞いていた。
「いずれまた戦闘が始まったとき今度は、そういいながら死んでいくか?」
 フラガ大尉の質問にキラも動揺した。
「ほかの4機は、ストライクと同時運用を前提に開発された。
どれか1つでもかければ本来の運用方法が行えなくなる。
すなわちお前の力が必要不可欠なんだぜ」
「でも僕は」
 フラガ大尉の説得でキラの心は、激しく動揺していた。
「君は、それだけの力を持っているだろ。
ならできることをやれよ。
そう時間は、無いぞ。
悩んでいる時間もな」
 そういってフラガ大尉が去ろうとした。
「あの、この船はどこに向かっているんですか?」
 サイが立ち去るフラガ大尉に質問した。
「ユーラシアの軍事要塞だ。
まあ、すんなり入れればいいがなってとこさ」
 そう答えてフラガ大尉は、今度こそ去っていった。
「僕は」
 キラは、葛藤の末就寝室を出て行った。
「おい、キラ」
 トールが呼び止めようとしたがキラは、行ってしまった。
「え?
何?
今のどういうこと?
あのキラって子は、何なの?」
 キラをあまり知らないフレイは、一体全体どういうことなのかわかっていなかった。
「君の乗った救命ポッドがモビルスーツで運ばれてきたって言ってたろ?
それを操縦してたのは、キラなんだ」
 サイの説明にフレイは、驚いた。
「あの子は、軍人だったの?」
 フレイは、モビルスーツが動かせたので地球軍の軍人だと思った。
「キラは、スーパーコーディネイターなんだ」
 カズイの説明にフレイは、驚いた。
スーパーコーディネイターの存在は、普通のコーディネイターたちの間でつぶやかれていたがいわゆる都市伝説でしかなかった。
それが目の前にいたとなれば誰しも驚く。

          ※

 キラは、モビルスーツデッキのハンガーに固定されているストライクガンダムの前に立っていた。
キラは、先のフラガ大尉との会話を思い出していた。
「モビルスーツを動かせたって戦争ができるわけじゃない」
 キラには、その手で他人を命を殺められる度胸がなかった。
そして立ち去ろうとしたときキラは、イージスガンダムのコックピットから出てきたアスランを見つけた。
アスランは、そのまま何も言わずに立ち去ろうとしていた。
「アスラン、待って」
 アスランは、キラの呼びかけで立ち止まった。
「君が何で地球軍にいるの?
どうして戦争なんかしてるの?」
 キラは、ヘリオポリスからどたばたで聞けなかった質問をアスランにした。
その瞬間アスランの表情が曇った。
「『月面都市コペルニクスの悲劇』を知ってるか?」
 アスランは、重々しく口を開いた。
「え?
国際連合が地球連合に変わるきっかけになった爆破テロ?」
 キラが知っている知識は、それによってコロニー側代表と国際連合首脳陣が死亡した。
そして後日コロニー側は、テロリストを地球側と発表したということだった。
これが戦争の引き金であることだけだった。
「地球とコロニーの穏健派がこれ以上相次ぐテロで死亡者を出さないようにする素晴しい機会をテロリストどもは、水の泡にしたんだ。
そんなことが許されていいはずが無い」
 アスランの声には、明らかに怒りが感じられた。
「だからって君が戦争することは、無いじゃないか」
 確かにテロ行為は、許されない行為であることはキラもわかる。
しかしそれだけでアスランが戦争をすることには、キラには結びつかなかった。
「俺の婚約者のラクス・クラインもこの協議に参加するはずだったが急用ができてこれなかった。
そこでラクスの代理がコペルニクスに行った。
ここまで言って分からないか、キラ?
その代理が俺の父のパトリック・ザラの一番大切な人だったんだ」
 アスランは、今にもなきそうな声で叫んだ。
「アスランのお父さんの一番大切な人?」
 そういってキラの頭の中にある人が思い浮かんだ。
「そうだ。
俺の母もあそこにいたんだ。
コペルニクスにいたんだ」
 アスランは、そういって泣き出した。
キラは、いくら親友とはいえ聞いてはいけないことを聞いてしまったと今になって反省し何もしてあげられなかった。

         ※