神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~ 第1~9話
第7話 管理局の闇
「バカな、敵陣のど真ん中だぞ!油断するにも程がある!」
士郎がそう指摘するのも仕方ない、それだけ気が緩んでいたとしか言い様がない。
でも、いつものなのはならこの程度のことは切り抜けられていた。
しかしこの所のスターライトの撃ち過ぎなのか、相当疲労が溜まっていたようだ。
避ける仕草から既に動きにキレがなかった。
しかも簡単に後ろを取られていた。
やられた原因はなのはの方にあった。
普通ならこんな所で弁当なんて食べない、例え襲われてもお互い背中合わせでお互いの背中を守り合う物だがそれすら出来ていなかった。
「今の所もう一度見せてくれ」
「今の所ってどこ?」
「機械兵器が出てきた辺りだ、そうだ、そこ」
繰り返し同じ場面を再生させる。
「ここ、拡大出来るか?」
遺跡から少し離れた雪の上、小さな人影が映っていた。
だんだん拡大されていく、そこに写っていたのは、
武装隊のバリアジャケットを身に纏った魔導師だった。
激怒の視線がレティに向けられる
「ヒィッッ」
思わず悲鳴を上げるレティ、だがそれだけでは事が済むはずがなかった。
「これはどう言うことだっ!説明して貰おう!」
下手なことをすればこの場で斬り殺されるかも知れない、
そう思いたくなるほどの殺気が辺りを包んでいる。
「私も判りません……私自身、管理局が信用出来なくなりました。
ですが、この命に替えても真相を突き止めて必ずご報告に参ります」
「本当だろうな?この先俺の知り合い以外の管理局魔導師を見たら容赦なく斬る!」
なんとかその場はそれで収まったが、横で見ていたヴィータは恐怖で動くことが出来なかった。
レティは取り敢えず帰ることが出来た。
しかし、先ほどの映像にあった魔導師どこかで見覚えがあったような気がする。
そして高町家と管理局は一触即発の状態になったことを実感した。
「困ったわレティ、昨日襲ってきたあの機械兵器の内の15体が回収出来ないの」
「何ですって?」
「月村忍さんが持って行ってしまって、絶対に返さないと言っているわ」
忍は、恭也が倒した15体を迅速に回収していた。
どうやら最高のおもちゃを手に入れたようだ。
作品名:神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~ 第1~9話 作家名:酔仙