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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~ 第1~9話

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 その場にシャマルが到着した時、状態は極めて悪かった。
背中から胸に掛けて大型の刃物で一突きに貫通した傷が出来ていた。
背中から見た傷口から心臓が見えている。
幸いにして心臓を外れていたものの大動脈から枝分かれした一本を切断し、
肺の一部を傷つけて胸に抜けていた。
 出血量が多すぎた、既に呼吸が浅くなり鼓動も痙攣寸前で血が足らないことが明らかだった。
彼女は今医学部2年生、まだ筋肉や皮膚の縫合を覚えたばかりでまともな手術一つしたことはなかった。
 でもやるしかない、今彼女を救えるのはシャマルしかいないのだ。
意を決してシャマルは旅の鏡を展開する。
 とにかく、まずは出血の原因である動脈の切断箇所を繋ぐ、
皮膚の縫合と血管の縫合は違う。
でもシャマルの知っているのは皮膚の縫合だけだ、どんなやり方であれ繋ぐしかなかった。
 その間も襲い来る機械兵器をヴィータがなんとか牽制していた。