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図書館戦争 堂x郁 記憶喪失(郁視点)

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記憶は戻った
でも流石に今すぐ堂上と二人っきりになるのは避けたいと思い、約束の乱取りを中止してもらうよう頼んだ

自分からお願いしておいて、図々しいとは思うが、堂上は別に気にも留めず「構わん」と答える
少しだけ胸が痛む。
自分に気があるのなら理由ぐらい聞くと思っていたのだが、肩透かしを食らった気分だった



次の日から、記憶が戻ったことを悟られないように気を付けた
考えごとがダダ漏れしてしまう為、なるべく余計なことは考えないように努めた
その結果、今のところ誰にも知られていない

記憶を無くしてた時と同じように、堂上達のことを階級呼びする
正直、教官呼びの方が身に染みついている為、時折手塚達と話しているとポロッと出てしまうが、気にも留めていないようだったので安心した



24日を迎え、午前中は恒例のミスカサンタコスプレでクリスマス会を行った
警護中の堂上をチラリと見ると、涼しい顔で廻りを眺めている

実は少しだけ期待していたことがあった
柴崎が恒例の衣装を持参した時、もしかしたら教官が『何故ミニスカなんだ!』と柴崎にこれまた恒例の怒涛が飛ぶと思っていたのだが、何も言われなかった

些細なことかもしれないけど、それでも自分に興味が無いってことなんだ・・・としんみり思う

午後、堂上とバディを組み館内巡回中に「置き引きよ」と女性の甲高い声が響いた
と同時に「笠原!」と声を掛けられ堂上の視線の先を確認すると、郁は走りだした

犯人に追いつき、背後から襟を掴み大外刈りを決める
背中に乗り、両腕を手錠で拘束しながら「容疑者確保!」と声を上げる

後を追って来た堂上が「良くやった!」と頭をポンポン叩く
--- 頭ポンポンか・・・これは部下の特権なのかな?

若干困惑したが、気を取り直して立ち上がった



再度館内警備中、郁は前を見据えながら考えていた

今日は24日 クリスマスイブ
数カ月前ならば、堂上と一緒に甘いイブを過ごしたいと考えていた
立川のイルミネーション見に行きたいな
クリスマスプレゼントは何にしようかな?
二人で過ごせるといいな

でも、今日は一人
柴崎は予定があると話していたが、相手が誰だかわからない
もしかすると手塚という可能性もあるが、最近は堂上が浮上している

柴崎は過去に堂上に告白したことがある
だから不安だった。自分が気付かないうちに二人は・・・・・

そう思うと、足が竦み動けなくなってしまった
立ち止ったことに気付いた堂上が「どうした?」と声を掛けてくる

--- これで最後にするから・・正直に答えて教官!

意を決して口を開いた
「堂上一正はお付き合いしてる方が居ないんですよね?」
「ああ。居ない」

--- やっぱり・・・そうなんだ

堂上の言葉が胸に刺さる
--- 大丈夫です。私、教官のこと忘れますから

訓練速度で堂上の横を通り過ぎようとすると、「待て!」と腕を掴まれ引き留められた
振り向かず、堂上の言葉を待つ
「何か聞きたいことがあるなら言え!」とイライラした口調で言われる
「今日はクリスマスイブなので柴崎とデートかな?って思っただけです」
郁は”聞きたいこと”を思った通りに伝えた
「何故そこで柴崎が出てくる?俺は予定なんぞいれとらんぞ?
 それとも何か?俺と柴崎が付き合った方がお前はいいのか?」

『俺と柴崎が付き合った方がお前はいいのか?』
その言葉が郁の涙腺を崩壊させた

--- 違う!そんなことない!私だって教官と一緒にいたい!

プチッと自分の中の何かが切れた
振り返り堂上へ怒鳴り付けた
「堂上教官は彼女居ないんでしょ!私のことなんて全然好きじゃないんでしょ!
 勝手に私の知らない間に消滅して別れてるなんて酷い!教官なんて大っ嫌い!!」