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図書館戦争 堂x郁 記憶喪失(郁視点)

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--- 何時の間に・・・・

郁のインカムがONになっていた為、特殊部隊全員に堂上のプロポーズが知れ渡った
もちろん、郁の記憶復活も含め、事務室はお祭り騒ぎだった

『婚約成立&記憶復活!おめでとう堂上くん!笠原さん!』

堂上は一度開けた扉をバタンッと閉め、ハァーと深い溜め息を落す
堂上は気合を入れ直して、再度ノブに手を掛け、勢いよく開けた

「ご心配お掛けしました!ありがとうございます!」と言ってズカズカと部屋の奥に行き
横断幕をペリっと剥がすと、そのまま隊長室の扉をノック無しに開け「色々とお気遣いありがとうございました!」
と言って横断幕を放り投げた

あまりの早業に呆気に取られていると、隊長室からは玄田の野太い笑い声が響く
小牧が上戸に旅立ち「いい加減仕事しろ!」と言って小牧の背中を叩きくと、郁と目が合い互いにクスっと笑った



日誌を渡し帰寮しようとした時、堂上から「これから飯でも食いにいくか?」と声を掛けられ、「はい!」と答えたのが一時間前

基地から近いファミレスで夕飯を取ることにした
食事が届くまでの間、堂上は箝口令を発動した経緯を説明した

『過去に戻れるなら、もう一度選ばせたいと思っていた』
『”憧れの三正”は登場せず、お前自身で図書隊員になりたいか決めさせたかった』
『”本を守りたい”のであれば、図書隊員になるだけが方法ではないだろ?』
『お前が判断を出す際に、”俺と付き合っていた”という事実が気持ちを惑わせる可能性を考慮して、箝口令を発動した』

淡々と説明した後、
「すまん。お前の気持ちを無視して自分勝手なことをした」
堂上は郁に頭を下げた

--- なんてバカな人なんだろう・・
--- 自分のせいで私が防衛員を希望したと思ってたんだ
--- こんなに好きなのに・・・教官、私達って不器用ですよね?

郁は黙って堂上を見つめ「それで私の気持ちは分かって頂けたんでしょうか?」と尋ねると、「ああ。俺が郁のことを手放せないことが十分に分かった」と真顔で返された

「それなら良いです。今後は私の気持ちを疑わないで下さい。私は堂上教官以外好きになる人は居ません」
そうハッキリ堂上に言うと「俺もだ」と答え、テーブルの上置いてある郁の手を握った



店を出た後、公園に寄っていこうと、堂上は手を取る歩き始めた
自販機で暖かいミルクティーとコーヒーを買ってもらい、ベンチに腰掛ける

「郁、お前は何を悩んでたんだ?」
堂上が郁の肩を引き寄せ抱きしめた

郁はそっと胸に頭をスリよせ、ゆっくりと話し始めた

柴崎に嫉妬していたこと
自分よりも柴崎の方が堂上のことを知っているということ
そして醜い感情が自分の心を蝕んでいったこと

「ごめんなさい」と呟くと、堂上は郁を抱きしめ、「俺は嬉しいぞ・・郁が嫉妬してくれて」と答える

え?

「嬉しいんだ。
 郁が俺に対して嫉妬するってことは、それだけ俺のことが好きなんだろう?」
「はい」
堂上は郁に軽くキスをした後、もう一度、今度は深いキスをする
何度も何度も角度を変えて、今まで触れられなかった分を取り返すように・・・

軽く肩で息をしながら、堂上の肩に顔を埋める
堂上は郁の頭を撫でながら「で、昇任祝いは何が欲しいんだ?」と聞いた
郁は堂上の耳元で「篤さんが欲しい」と囁いた

「手加減は出来ん。覚悟しておけよ」
「外泊するぞ!」と言ってグイグイ郁を引っ張って歩いた