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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~10-18話

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第16話 退院

 おむつが取れて一週間、なのはにとって過酷なリハビリが続いていた。
とにかく痛い、激痛が通り抜けるたびに床にへたり込む、
なんとか立ち上がって車椅子に戻れるまでにはなっていた。
 それでも歯を食いしばって何度でも立ち上がることに挑戦する。
横から見ていれば誰もが手を貸してあげたくなるほどだ。
でもなのははそれを由としなかった。
 早く退院したい、例え不自由な体でも病院以上の自由が欲しかった。
時々お見舞いに来てくれるアリサ達ももの凄く不安そうな顔で見守っている。
 でもみんなで応援してくれるから、みんなが見ていてくれるから頑張れた。
弱い自分に不屈の魂という鎧を着せてなのはは一回りも二回りも強くなった。
もう絶対に諦めない、絶対に逃げ出さないなのはがそこにいた。
 最近は、体の悩みをシャマルに相談している。
「まだ痛みは取れないわよ、長い人になると1年以上掛かるから。
それに痛み止めを使うと心臓に良くないし治り自体遅くなるの」
 シャマルの言葉に涙目のなのはだった。
 シャマルは、そんななのはを優しく抱きしめながらいろんな話をしてくれた。
レーベンというシミュレーターを使って既に心臓手術までこなしていることやもっと早く医者になりたいという思いが強くて今の大学の授業に満足していないこと、早く医者になってなのはやはやてを治療したいことなど殆ど医療のことばかりだったがシャマルの気持ちはよく分かった。
 そんなある時シャマルはこう切り出した。
「まだはやてちゃんには内緒なんだけどね、なのはちゃんとはやてちゃんの
リハビリに目途が立ったらアメリカに行こうと思うの」
「アメリカに?」
「日本では医学部は6年間なの、その間実際にメスを持たせて貰えることはないわ。
でもアメリカは違う、年に4回飛び級のチャンスがあるし、それで医師試験に合格すればすぐにでも患者さんを見ることが出来る。
実践的に患者さんを治療しながら学ぶことも出来るのよ。
実際になのはちゃんと同い年で脳外科医の資格を取った子もいるわ」(作:本当です)
「凄いねぇ」
「それが能力と資格の国アメリカ、だから私は行きたいの、
少しでも多くの人を治療して少しでも多くの経験を積んで早く一流の医者になりたい、だからアメリカを目指すの」
シャマルは輝いていた。
なのはから見て神々しいほどに。