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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~10-18話

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 やって来たのは6人の管理局員、その内の一人はレティ提督だった。
殆どが見覚えのある管理局の重役ばかりだ。
 前日、士郎はリンディーさんから連絡を受けていた。
その重役達が士郎の前で揃って土下座をしたのだ。
見ているなのはの方が驚いた。
「一度断絶宣言したんだ、そう簡単には取り消せんよ」
「しかし、それでは何時になっても補償交渉が始められません。
こちらとしてもそう言う仕事もあるのです」
 腕を組んで目を閉じたまま何かを考え込む士郎、目を開いた時何かを決断した様だった。
「取り敢えず話だけ聞いてやろう、もし嘘偽りや誤魔化しがあると判断したらそれまでだ。その時は永遠に断絶することになろう」
 管理局幹部達は引きつりながらも取り敢えず事の顛末を説明し、総局長名の親書を手渡すことは出来た。
「補償内容につきましては、こちらの担当官から説明させます」
 一番後ろに控えていた少女、まだ配属されて1年だという。
「運用部職員厚生課補償係のルイーズ・ポメリーと申します、よろしくお願いします」
 日本で言えば見た目高校を出たばかりくらいだろうか?
 彼女からの説明が始まった。
 まず、なのはの怪我について「公務災害」と認定し入院費、手術費、治療代、家族のお見舞いに掛かった交通費や日当、稼業に与えた売り上げの落ち込み、家の改装代、その他必要な介護用品等代金、この先必要となるホームヘルパーを雇う場合の代金など全て管理局が出す。
 なのはの収入補償については、現在の空曹長から2階級特進(2等空尉)の給与形態で復帰するか再就職するまで補償し続ける。
なお、怪我をした12月から完治宣言を受けるまではその体の状態に応じた障害者年金が上乗せされると言うものだった。
「なお、損害賠償につきましては事件でありますので原告として裁判に出廷して頂きたいと思います」
 まだ新米の事務官を連れてきたのはレティの計算だった。
ピカピカの新米では嘘や誤魔化しなんて出来はしない、ある意味管理局の重役より説得力があった。
 緊張しまくって噛み噛みで辿々しい説明ではあったが、それなりに納得の出来る物だった。
「良かろう、補償については受けよう、だが裁判について俺たちは管理局の法律を知らないし、向こうへ出向くことは出来ればしたくない」
 それが士郎が下した決断だった。
レティはこの意見についてもう一度管理局へ持ち帰って議論し返事をすると
そう士郎に告げて帰っていった。
 それからルイーズ・ポメリー事務官は補償事務が終わるまでアースラに残ることになった。


「ふう、なんとか交渉の糸口が掴めましたね」
「レティ提督、以外とすんなりいきましたな、心配したこともなかった」
「いえ、あれはあれでかなり冷や冷や物だったと思いますよ、嘘偽りや誤魔化しがあった場合はそれまでと言うのはその時点で我々を斬ると言っていたのですから」
 それを聞いて真っ青になる幹部達、それを表情に出さずに楽しんでいるレティが居た。


「ねえルイーズさん、なんで2階級特進なんですか?私死んでないのに……」
「それはですねえ、こちらの医師の所見に寄りますと持って数日の命、例え助かったとしても、社会復帰は不能であろうとされています。
そう言う診断書がある以上は、死亡と同じ扱いになるんです。
ただ死んでいる訳ではありませんので遺族年金ではなく、通常の給与となる訳ですが」