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世界一初恋 高x律 続パラレル

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さて。どうしたものか。
前回は彼の存在を隠していたら隣人の横暴俺様上司に勘違いされ、酷い目にあった経験がある
肉体的にも精神的にも追いつめられるのは御免被りたい

チラリと彼を見ると、ニヤリと意地悪く笑いながら「俺のこと内緒にしてくれる?」と言い出した
「ハァー?勘弁してよ。横暴俺様上司に知られたら俺の身の危険が保障されないんだけど?」
「んー俺が守ってやるよ」
「いや・・余計拗れると思う」

だって、本人同士だし・・・いくら別世界の住人だとしても構成要素は同じな訳で・・・恐らく性格も同じであろうと推測できる
そんな狂犬同士のバトルなんて見てられないし、寧ろ近づきたくもない。

「あのさ。気になることがあるんだけど?」
「何?」
「もしかして”律”も隣に来てるってことはないかな?」
「・・・・・」
彼は眉間に皺を寄せ、苦虫を噛み潰したような表情で隣の壁を凝視した

あれ?俺地雷踏んだ?
ドス黒いオーラを纏った彼を見て、ツーと背筋が凍った

「律、確認してきて」
「は?」
「隣に行って、”律”が来てるか確認してきてよ」
「や・・嫌だよ。なんで魔窟へわざわざ出向くなんて・・・先輩が行っておいでよ」
「・・・・逢いたくないんだよ。アイツに」
「アイツって?”律”?それとも横暴俺様パワハラ・セクハラ変態上司?」
「なんだか固有名詞が増えたな・・・」
クスリと笑いながら「隣人の方」と答えた

まぁー本人同士逢いたくないってことなのだろうか?
だが・・・いくら彼の頼みとあっても、悪魔の城へノコノコと出向く勇者はいないだろう・・・
うーむと考えていると、いつの間にか彼は俺の隣に座り込みポツリポツリと話しだした

「”律”がさ、俺よりアイツの方が良いって言ったんだよ」
「はぁ?」

「些細な喧嘩だったんだけどさ。
 最後に”律”が言った言葉に俺もキレちゃって、
 だったらアイツのことろに行けよ!って売り言葉に買い言葉な感じになってさ」
「・・・・・」

「その後、”律”とは連絡取ってない」
ハァー。溜め息しか出なかった。
何を深刻に話すのかと思えば、子供の喧嘩で、挙句の果てに情緒不安でこっちの世界まで来てしまうなんて・・・

でも待てよ・・・
もし仮に隣人宅へもう一人の俺が来ていたとしたら?
しかも喧嘩の原因が”先輩より高野さんの方が良い”ってことを話していたら?
高野さんは調子に乗ってもう一人の俺に悪戯をするかもしれない・・・しかも俺より素直なもう一人の律だし・・

「嫌な予感がする・・・”律”の身の危険を感じてきた・・」
すぐさま携帯を手に取り、履歴から一番上の番号を選択し発信した

『もしもし』
「おはようございます。小野寺です。今大丈夫ですか?」
『あっ・・ああ。どーした?』
「いえ。何だか隣からドスンと音が聞こえたので、何かあったのかな?と思って電話しました」
無論、嘘ですが・・・そんな音聞こえてません。

『・・・・いや。別に何もないぞ』
あれ?今の間は?これは行間や間を読むという少女漫画編集者としての腕が試されているのだろうか?
「そうですか。失礼しました。それでは」

ピッ!と電話を切った後、彼の方をチラリと見た
「・・・多分・・来てると思うよ」
「アイツ・・・俺の”律”に手を出そうとしてるのか?」
「・・・・先輩ならどうする?俺に手を出す?」
「食っていいなら完食する」
「・・・この鬼畜め!」
ダメだ・・・やっぱり同類って言うか同じなのだから仕方ないのだが・・・
このままではもう一人の俺の身が心配だ