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世界一初恋 高x律 続パラレル

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スクッと立ちあがった俺は、携帯を片手に隣の部屋へ向かうべく玄関へ向かった
「隣にいくの?」
「ああ。俺の身が心配になってきたから。先輩は部屋に居て」
足早に靴を履き、隣のインターフォンを鳴らす
一回、二回、三回目でやっと高野さんが出てきたのだが・・・

「寝起きですか?着衣が乱れてますが?」
「いや・・それよりどーした?お前から部屋に来るなんて珍しいな」
「ええ。そうですね。でもお邪魔しちゃったみたいですね?」
「なんで?」
「息も少し荒い気がするんですけど、気のせいでしょか?」
「・・・・・」
「ちょっとお邪魔しますよ」
ズイと扉を開き、高野さんの制止の言葉を無視してズカズカとリビングへ入ると、テーブルの上にはマグカップが二つ用意されていた

「おい。なんだよ急に」
高野さんが焦った様子で俺の腕を掴み振り向かせるが、俺はその腕を払いのけ大きな声で呼びかけた
「律!居るんだろ?出ておいで」
「・・・・っ!」
高野さんがビクッとして俺を凝視していると、寝室の扉が開き顔が真っ赤なもう一人の俺が出てきた
「・・・・はい・・すみません」
その姿を見て、俺は高野さんの頬を引っ叩き、もう一人の俺の腕を掴んで玄関へ向かった

「ちょ・・律!待てよ!」
「触らないで下さい。声も掛けないで下さい。お邪魔しました」
茫然と立ちすくむ高野さんを玄関に残し、俺はもう一人の俺と一緒に部屋に戻った

玄関の鍵を掛け、チェーンをした後、放心状態の”律”を見て、ハァーと溜め息をついた
玄関まで慌てて駆け付けた彼が「何やってんの?」と声を掛けると、もう一人の俺は「ひっ!」と驚いた様子で震えだした
もう一人の俺の腕を引っ張りながら、とりあえず寝室へ放りこみ「部屋で大人しくしてて」と一言告げたあと扉を閉めた

事の次第を大体理解していた彼は苦渋の表情となり、それでも俺からの言葉を待っているといった様子で視線を向ける
俺はソファーにドカっと座って、頭をガシガシと掻いた後、盛大な溜め息を付き「あのね」と彼に話した

見たままの事実を告げると、彼はワナワナ震えドカッと床を叩いた
「なんだよ・・何やってんだよアイツ」
「ごめんね。先輩」
「・・・別に律が謝らなくていいよ」
「とりあえずさ、あの部屋で何があったか、俺が聞き出そうか?」
「ああ。今俺があいつの前に出て行ったら何も話さないだろうし」
「うん。分かった。じゃちょっと待ってて」

俺は寝室の扉を開け、ちょこんと正坐しているもう一人お俺を確認した後、扉を閉めた
”律”の正面に座り、俯いて泣いている頭をポンポンと軽く叩く

「大丈夫だから」と声を掛け、「ゆっくりで良いから俺の質問に答えて?」というと、コクリと小さく頷いた
「高野さんに何されたの?」

「グスッ・・今朝・・グスッ・・気付いたら・・グスッ・・高野さんの部屋にいて・・グスッ・・
 『どーした?』って・・グスッ・・聞かれて・・グスッ・・先輩と喧嘩したことを話してて・・」

「それで?」

「そしたら・・グスッ・・高野さんが『俺に乗り換える?』ってベットに押し倒されて・・グスッ・・抱きしめられて・・・」
「・・・あの鬼畜め・・」

「で・・でも!俺は・・先輩と仲直りしたいから・・グスッ・・どうすればいいか話してて・・」
「・・・続けて」
「ずっと泣いてる俺の背中を・・グスッ・・擦ってくれてたんです・・」
ぐしゃぐしゃに泣きながら事の詳細を話すもう一人の俺は、やっぱり幼くてまだまだ素直で自分なのに可愛いと思ってしまった

でもそれだけで赤面する程のリアクションを取るには何かが抜けている気がする
大体、高野さんがベットに押し倒した段階で、何も手を出さない訳がない!

「それだけ?」
俺はゆっくりと、まだ話してないことあるよね?という気持を込めて、”律”に話しかけた

「黙ってないで全部話して。大丈夫だから」
頭を撫でて落ち着かせるように話しかける

「・・・・その・・額にキスされて・・高野さんの手が・・」
「手がどうしたの?」
「上着の中に入って来て・・・素肌の背中を触られて・・・吃驚した時に・・・チャイムが鳴ったんです」

「・・・危機一髪だな・・」
「・・・すみません」
ハァーと溜め息を付き、チラリと扉を見る
多分、先輩は扉の前に立って、話しを聞いていると思う
苦渋に満ちた表情で腕組みしながら聞いているであろうその姿が容易に想像できてしまうので、つい苦笑いしてしまった

「でさ。”律”は先輩と仲直りしたいんだよね?」
「・・・はい」
「だったら、直接先輩と話しをすればいいのに」
「で・・でも先輩怒って・・グスッ・・・俺の話し聞いて・・グスッ・・くれない・・」

ボロボロと泣く幼い俺の頭をポンポンと叩き、俺は扉に向かって声を掛けた
「先輩!話し聞いてましたよね?」
すると、スッと扉が開き「ああ」と不機嫌な彼が現れた
「ちゃんと最後まで彼の話し聞いてくれますよね?」
「・・・ああ」
俺はスクッっと立ち上がり、寝室の扉の前に立っている彼に「ごゆっくりどうぞ」と声を掛け中に押しやった