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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~19-29話

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第24話 明るい老後計画

 その夜、クラナガングランドホテルのスウィートルーム、高町家はここに泊まっていた。
 実はなるべく短い裁判で済ませたいと士郎が申し込んだ為、もしどちらかが控訴した場合、翌日も裁判を行って結審させる予定だった。
 しかし、結果として1日で決着し相手が控訴を断念した事から即日結審したのだ。
しかも裁判関係の宿泊の為、宿泊料は管理局持ちだった。
 明日はどうやら観光出来そうだ。
 因みに、はやて達は下級職員用の安い宿舎、ハラオウン家は上級幹部用の高級宿舎に泊まっている。
 流石にスウィート寝室が三つに浴室が二つもある。
片方の浴室には、身体障害者用の手すりなども付いていて、なのはにとっても有り難かった。
 母と二人一緒に風呂に入り、一緒のベッドで寝る。
こんな事は何時以来だろう?
「ねえお母さん、どうしてユーノ君の事あそこまで気に入ってくれたの?」
「なのはは鈍いわねぇ、ユーノ君はずっとあなたが大好きだーってアピールしてたのに」
「えっ?」
 闇の書事件の後時々遊びに来る様になったユーノ、時には泊まる事さえあった。
そんな中で口には出して言わない物の事あるごとになのはに対してアピールしていたのだ。
「なのはだって満更でもなさそうだったしね」
 そう言われて真っ赤になるなのは、思わず「ボッ」と言う擬音が聞こえてきそうだ。
「それにね、なのはが死にそうになった時、命と引き替えにしてまで助けようとしてくれた。
あの子が如何になのはを愛しているか良く判ったわ、そんな彼だからなのはをお願いしますって頼みたかったの」
 返す言葉もなくただ真っ赤になって固まるなのは、そんななのはを優しく抱きしめる桃子、もう言葉は要らなかった。
「ねえ、お母さん、私お嫁に行っちゃってもいいのかな?」
「だ~め」
「えっ、じゃあなんで?」
「ユーノ君に来て貰うのよ、うふふふふふふふふふふ」
 つまりユーノは婿養子と言う事に始めて気が付いたなのはだった。
「もうすぐ恭也君は家を出ちゃうでしょ?」
 そう、恭也は後1年で家を出る身だ。
大学卒業後すぐに忍さんと結婚して家を出て行ってしまう。
「でもね美由希ちゃんと、なのはにはお婿さんを取ってずっと家にいて欲しいの、それが私の明るい老後計画、賑やかな家庭の方が良いでしょ?」
 もう既に「明るい老後計画」は、かなり進行しているらしい。
なのはにしてみれば何となく桃子の手の上で遊ばれている様な気がする。
「だからねっ」
 茶目っ気たっぷりにそう言って笑った桃子の顔をなのはは不思議そうに見つめていた。
 こうして抱き合って眠った夜の事はきっとなのはの一生の思い出になっただろう。